風疹が大流行しています。
最大の問題は、免疫のない妊婦が風疹に感染することによる、先天性風疹症候群(CRS)の発生です。
CRSは、心臓病や難聴、白内障など、生まれてくる赤ちゃんに重大な障害を引き起こします。
私自身も、CRSによる心臓病のお子さんの手術に携わったことがあります。
心臓病や難聴は別の要因でも発症しますが、少なくともCRSは、防げる病気です。
妊娠の前に風疹ウイルスの抗体価を検査し、それが陰性ならワクチンを接種する。それだけで防げるのです。
いま妊娠していて、しかも検査で風疹抗体価が陰性と判明した方は、この流行で気が気ではないでしょう。
妊娠中にはもはや、ワクチンを接種できないのです。
周囲の家族らがワクチンを接種して、少しでも妊婦さんが感染するリスクを減らさなければなりません。
そもそも、妊娠時に風疹抗体価の検査をするのでは遅すぎます。妊娠前に検査しなければ、間に合いません。
いつ妊娠するかわからないなら、結婚時、いやそれよりも前に、ワクチン接種なり検査なりをすべきです。
風疹が流行している現状では、妊娠を希望する女性は、検査よりもまず接種でしょう。
じゃあ、いつするのか。今でしょう。
とか言いましたが、風疹ワクチンは、現在全国的に品薄です。8月ぐらいまでは入手困難という話です。
さいわい、麻疹風疹混合(MR)ワクチンで代用できるので、ご希望の方はMRワクチンを接種しましょう。
でも「風疹ワクチンを接種しましょう」と言っておきながら、ワクチンが無いって、どこか間違ってますね。