今晩、お世話になった方のお通夜に参列して参りました。
ご病気は膵臓癌でした。
病状は山あり谷ありでしたが、癌発見から約11カ月を経過できたのは、その「組織型」によるものでした。
「膵管内乳頭粘液性腫瘍」という、膵臓癌のなかでは、どちらかと言えば悪性度の低いものだったからです。
不思議な話で、11カ月前に癌が判明したその日はちょうど、私の恩師が亡くなられた命日でした。
恩師の病気もまた、膵臓癌でした。
それは「浸潤性膵管癌」という、膵臓癌ではいちばん代表的な組織型で、とくに悪性度の高いものでした。
進行していて手術はできず、手術以外のあらゆる治療を行いましたが、5カ月後に亡くなられました。
今日からちょうど1年半前、スティーブ・ジョブズが亡くなりました。
やはり膵臓癌でした。
ジョブズの場合は「膵内分泌腫瘍」という希な組織型で、転移はしやすいものの、進行が遅い癌です。
ありとあらゆる治療を行った8年間、AppleのCEOとして、新製品を世に送り出し続けました。
膵臓癌は、進行するまで症状が出にくく、とても見つかりにくく、しかも治しにくい癌です。
あとで振り返れば、伏線のような微妙な症状はあるのですが、それで癌を疑うかどうか、難しいのです。
早期のうちに見つけるためには、人間ドック等の健診を受けるしかありません。
癌を見つける項目がまったく含まれていない「メタボ健診」だけでは、まったく安心できないのです。