ネズミ一匹

国中が心配した、福島第一原発のこのたびの停電は、ネズミのせいだと判明しました。

「大山鳴動して鼠一匹」と笑い話にするわけにはいきません。むしろこれは深刻に受け止めるべき問題です。

つまり、現時点での福島第一原発のセーフティーネットは、ネズミ一匹によって破られたということです。

二重三重の安全策がすべて破綻して起きた<a href="http://tsuruhara9linic.blog116.fc2.com/blog-entry-82.html" target="_blank" title="2年前の事故">2年前の事故</a>の、反省も教訓も生かされなかったのでしょうか。

命綱ともいえる冷却設備に電力を供給する配電盤は、ネズミが出入りできる構造でした。

たとえ仮設のものではあっても、安全対策は完璧でなくてはならないはずです。

「4日間停電すると福島は今も危険な状態になる」ということも、今回明らかになりました。

しかし東電はこれを「4日間の余裕がある」とタカをくくって見せました。国も同調姿勢なのは2年前と同じ。

東電やお役所のことばかり言ってはおれません。日本人全体が、のど元過ぎて熱さを忘れていたのです。

そんな人間に対して、身を賭して警鐘を鳴らしたネズミ君には、あっぱれと言うほかありません。

感電して黒焦げになる以前から、彼はすでに大量に被曝して、満身創痍だったはずです。

放射線障害のために皮膚はただれ、視力を失い、最期の力を振り絞って、やっとの思いで配電盤に到達。

「人間たちよ、目を覚ませっ!」そう叫びながら、力の限り、電線に噛みついたのでした。

(三流ドラマおしまい)

薬と食品の期限

ワクチンなどの「有効期限」は、絶対厳守です。

期限を過ぎたワクチンは「有効性」と「安全性」が保証されないので、廃棄しなければなりません。

したがって院内在庫は最小限とし、期限が近いものから順に使用し、使った数だけ補充(購入)しています。

注射や点滴液の場合は「使用期限」が表示されています。

ワクチンと違って、1箱10本などの単位で購入するので、期限切れの憂き目に遭うこともしばしばです。

もったいないと思いながらも、期限切れの点滴や薬品はすべて、ジャブジャブ廃棄しています。

一方で、食品の「賞味期限」や「消費期限」はどうでしょう。

たしかに販売者には責任がありますが、買った後でいつそれを食べようと、それは消費者の「自己責任」。

「本日中にお召し上がり下さい」と書いてあるケーキを、冷蔵庫に保存して翌日食べることはよくあります。

反対に、妙に消費期限が長い食品もまた、心配になります。期限を延ばす「物質」のおかげでしょうから。

とくに極端なのは、ドッグフード。開封してしばらく経っても、カビが生えたのを見たことがありません。

わが家の愛犬の体内には、きっといろいろな物質が蓄積しているのでしょうね。

パンダ観察記

上野動物園のパンダ舎から、ライブ映像が発信されているということを知り、念のため見てみました。

パンダにプライバシーはありません。8カ所のカメラが、舎内ほぼ全域をカバーしているようです。

うち4台は殺風景な室内カメラですが、ほかの4台は屋外の放育場を各方向から映す、楽しげな映像です。

9時半の開館時間を少し過ぎたころ、ライブ配信が始まりました。パンダは2頭とも放育場にいました。

私は4つのウインドウを開き、4つの屋外カメラの映像を同時に見る万全の態勢で、観察に臨みみました。

どうやら放育場はフェンスで半分に隔てられており、2頭は別々のエリアにいました。

意外なことに、パンダは基本的に歩いています。しかも歩くのが速い。

とくに1頭は、ほとんど休み無く、おもに放育場の外周(フェンス沿い)をぐるぐる歩き回っています。

たまに池に近付くと、下半身だけを水に漬け、数秒後にまた歩き出します。何でしょう。トイレ?

下半身だけが濡れた状態で歩き回り、ときどき地面に座ったりするので、お尻だけ泥で茶色く汚れています。

もう1頭は、歩き回るだけじゃなく、よく遊び、池に入るのも好きみたいです。暑がりなのでしょうか。

しばらく歩き、木に登り、降り、ハンモックに乗り、降り、池にしばらくつかり、またグルグル歩きます。

こっちの方がパンダっぽい。

1時間半ほど観察しましたが、満腹だったのか、食事シーンなし。

2頭がフェンス越しに見つめ合うシーンなし。たまにニアミスしても、知らんぷり。

どっちがリーリーでどっちがシンシンかも、わからずじまい。

小指の不調

以前にも書いたように、私は<a href="http://tsuruhara9linic.blog116.fc2.com/blog-entry-21.html" target="_blank" title="手首の腱鞘炎">手首の腱鞘炎</a>に悩まされてきました。

それ以外にも、前腕や指や、肩も腰も背中もお尻も、あちこちが不規則に悲鳴をあげます。

マウスをやめて<a href="http://tsuruhara9linic.blog116.fc2.com/blog-entry-379.html" target="_blank" title="トラックパッド">トラックパッド</a>に換えてからは、手首の痛みは比較的落ち着いています。

しかしキーボードだけは、効率のよい代用品がないため、指が痛むとホントに厳しいことになります。

ひところは、右の親指の付け根が痛み、ローマ字かな変換のたびに苦労しました。

そして今日は、左手の小指が痛みます。

小指なんて、しかも左手の小指なんて、10本の指のうちでも一番使わないだろうと思っていたら大間違いです。

キー入力で「A」を押す頻度の多いこと。じつは、かなりの働き者でした。

その上「control」とか「shift」とか「option」とかの仕事も飛び込んできます。

足腰全般の<a href="http://tsuruhara9linic.blog116.fc2.com/blog-entry-367.html" target="_blank" title="運動不足">運動不足</a>は自覚していますが、指は運動不足とは思えません。むしろ使いすぎです。

関節や腱の潤滑剤不足でしょうか。

やっぱりアレですか、「皇潤」とか?

iWatch

出るぞ出るぞと言われながら姿を見せない。<a href="http://tsuruhara9linic.blog116.fc2.com/blog-entry-420.html" target="_blank" title="Apple製TV">Apple製TV</a>は幽霊のようだと、よく言われます。

そして最近新たな「幽霊候補」としてウワサなのが、Appleのスマートウォッチ「iWatch」です。

果たしてiWatchは、iPhoneのように売れるでしょうか。

そりゃ私はApple信者ですから、それが踏み絵なら買いますけど。世間で売れるかどうかは疑問です。

そもそも腕時計というのは、その機能的価値よりも、装飾的価値の方が重要とさえ思えるアイテムです。

メーカーもブランドも数え切れないほどあり、どれを選ぶかが持つ人の趣味やセンスを反映します。

デザインにバリエーションの少ない(少なそうな)スマートウォッチの普及は、だから難しいと思います。

iWatchは、ポケットやカバンに入れたiPhoneと無線接続することで、その威力を発揮するはずです。

つまり、iPhoneの遠隔操作用端末となるわけです。

たしかに便利で未来的なんですけどね。私自身は、あまり使いたいとは思わないです。

だって考えてみて下さい。腕時計で通話するんですよ。スパイ映画じゃあるまいし。踏み絵でもイヤ。

BCG接種対象拡大

結核を予防するワクチン「BCG」の接種は、法律で規定された定期予防接種のひとつです。

その接種対象年齢(月齢)が、4月から変わります。

これまでの接種対象は「生後6月に至るまでの間にある者」と定められていました。

新生児でも接種できますが、とくに生後3カ月〜6カ月未満が「標準的」接種時期とされてきました。

重症結核の予防を考えたら、なるべく早めに接種すべきです。しかし副作用を考慮すると遅めがいいのです。

最近の調査では、生後4カ月までにBCGを接種すると、骨炎や骨髄炎が起きやすいことが判明しました。

そこで今回、接種年齢を「生後1歳に至るまでの間にある者」に広げたというわけです。

副作用を減らし、小児結核も防ぐ観点から、標準的接種時期は「生後5カ月〜8カ月未満」となりました。

環境が改善し、結核のリスクが減ってきた現在、副作用を減らす方向に接種時期をシフトするのは妥当です。

乳児早期に接種すべきワクチンの種類も増えたので、BCGを遅くできるのはスケジュール的にも好都合です。

しかし、これまでのBCG接種規定からは少し飛躍した改定であり、現場では多少の混乱が予想されます。

なにしろこれまで「5カ月までに接種して下さい」だったのが、「5カ月以降にしましょう」に変わるのです。

「早めに接種しましょうね」と言ってたのに、手のひらを返したように「早すぎない方がいいよ」なのです。

今までは何だったの、って話です。保護者の方には、きちんとした説明を行わなければなりません。

厚労省がこの方針を決めたのは昨年11月。改正政令が公布されたのが本年2月1日です。

私はそれ以後、多くのお子さんのBCG接種を4月以降に延期する方針とし、他の予防接種を優先しました。

その子たちはいま、BCG未接種のまま満6カ月を過ぎ、現行の規定には違反した状態に突入しています。

でも大丈夫。4月には再び、正規の接種対象に復帰することになるからです。ちょっとおかしな感じです。

TPPと医療

安倍首相は先ほど、TPP交渉への参加を正式に表明しました。

「守るべきものは守る、攻めるべきものは攻める」と力強く語る安倍首相。少なくとも体力十分のようです。

国論を二分するTPP問題ですが、断固反対している「業界」の筆頭と言えば、農協と医師会でしょう。

とくに注目されているのは「農業」分野ですが、本当に問題なのは「医療」だと言う人もいます。

安倍首相は「国民皆保険制度は守る」と何度も強調しています。

たしかに、医療保険制度そのものが廃止されるようなことは、おそらくないでしょう。

しかし、「実質的な制度崩壊」を危惧する考え方は広がっています。

その突破口としての「混合診療の解禁」が、もっとも危険視されています。

新しい薬や治療法が開発されても、すぐには保険が効かない場合があり、「自由診療」の扱いになります。

現制度では「保険診療」と「自由診療」を組み合わせた「混合診療」は原則禁止です。

混合診療が解禁されると、保険が効く医療と効かない医療とを、自由に組み合わせることができます。

そうなると、所得が多い人ほど、より新しい高度な医療を受けやすくなります。

所得が多い人でも、全額自腹では大変なので、自由診療部分にも適用できる医療保険が必要になります。

ここが米国の狙い目です。米国の保険会社が参入して、自由診療がますます横行していきます。

かくして、保険診療よりも自由診療の方が多くなり、国民皆保険制度は形骸化してしまうというわけです。

と、ここまでは、TPP反対派の言うシナリオを書きましたが、対策はあります。

新たに開発された薬や治療法に、どんどん保険を適用して、自由診療枠を増やさなければいいだけの話です。

厚労省には、もっとフットワークを軽くしてもらわなければなりません。

新教皇決まる

バチカンの<a href="http://tsuruhara9linic.blog116.fc2.com/blog-entry-502.html" target="_blank" title="コンクラーベ">コンクラーベ</a>では、5回目の投票で、新ローマ法王が決まりました。私の予測よりは早かった。

アルゼンチン人のベルゴリオ枢機卿が名乗る新法王名は「フランチェスコ1世」だそうです。

ところが、バチカン(法王庁)の発表では「1世」は付いていません。

「2世が現れて初めて1世の呼称が使われる」べきだからですが、日本では「1世」付きで報道されています。

それどころか、日本のカトリック中央協議会の発表では、「フランシスコ1世」と表記されています。

朝日、毎日、NHKなどもそれに従って「フランシスコ1世」と報道しています。

ちょっと待って下さい。「フランシスコ」じゃないでしょう、「フランチェスコ」でしょう。

新法王名は、フランシスコ会の創立者である「聖フランチェスコ」に由来しています。

中世イタリアの聖人の名前は、やはりイタリア読みしなければなりません。

映画「ブラザー・サン シスター・ムーン」の中での発音は、あきらかに「フランチェスコ」でした。

これは聖フランチェスコの半生を描いた、私の大好きな映画です。

中学生の時に観て、感動した思い出があります。共演女優のジュディ・バウカーもすごくよかった。

捏造との境界

大阪市職員の不祥事で、関西テレビが内部告発者とした映像が、実は番組スタッフの後ろ姿だったとのこと。

告発者本人が撮影を拒んだための「代役」らしいので、捏造とまでは言えないかもしれません。

しかしそれなら、資料映像を出すとか、黒画面にして音声だけ流すとか、やり方はあるでしょう。

必要な「画(え)」が撮れなければ作る、という点では、捏造と同じです。

マスコミの捏造は数知れずありますが、よく知られているのは、朝日新聞の「サンゴ捏造事件」でしょう。

観光ダイバーによるサンゴ礁の損傷を告発するために、悪質な損傷例を「自作自演」してしまった一件です。

たとえ目的が社会正義であったとしても、それを実現するための捏造という手段は、正当化できません。

しかし、積極的な「工作」はなくても、捏造と紙一重の取材は多いと思います。

例えば記者が、サンゴの損傷を期待して、たちの悪いダイバーたちを密着取材するような場合です。

期待した通り、ダイバーがサンゴを傷つけてくれたその瞬間、「いい画が撮れた」と喜ぶのでしょうか。

これはもう、限りなく「自作自演」に近い「共同制作」みたいなものでしょう。

ドキュメンタリー番組などを見ると、そんな捏造スレスレのものが多いような気がします。

Windows 8不調

「Windows 8」搭載パソコンの売れ行きが、伸び悩んでいるとのこと。

Apple信者の私が言うのもなんですが、Windowsが間違った方向に進もうとしているように思えるのです。

Windows 8売れ行き不調の原因は、タッチパネルの品不足にあると、先週の日経が分析していました。

たしかにタッチパネルは、スマホやタブレットの需要が急拡大中なので、品薄かもしれません。

しかしそもそも、タッチパネルPC自体の需要があるのか、疑問です。

タブレットに近い使い勝手がウリといいますが、それならタブレットの方が安価で小さくて便利です。

<a href="http://tsuruhara9linic.blog116.fc2.com/blog-entry-388.html" target="_blank" title="前にも書いた">前にも書いた</a>ように、タッチパネルは一般のビジネスソフトには不向きです。

要所要所でマウスやキーボードを使う必要があり、かえって面倒なのです。

Windows 8のユーザーインターフェースは斬新ですが、一般的なビジネス向けとしてはムダに斬新です。

企業用PCのOSとして普及するとは、とても思えません。それはMacを見ればわかるでしょう。

Windowsが業務用OSとして普及しすぎたことが、皮肉にも、その飛躍を阻んでいるように思えます。