視聴率実験

ノルウェーのTV番組で、「薪が燃える映像」だけを12時間流し続けたときの視聴率が20%だったとのこと。

これをヒントに、あるバラエティー番組が「視聴率実験」を企てていました。

薪が燃える映像だけを2分間流し続け、その間に視聴率が上がるかどうかを確かめようというわけです。

実際に視聴率は急上昇したようですが、はたしてそれで、どのようなことを結論づけられるのでしょうか。

視聴者の多くはこの実験に興味を持ち、その結果も知りたくて、そのまま同じ番組を見続けたはずです。

なにか面白い番組やってると、知人に連絡した視聴者もいたかもしれません。

視聴者のこれらの行為はすべて、視聴率アップにつながったことでしょう。

「いまから視聴率が上がるか実験します」と宣言されたら、多くの視聴者はその実験に参加してしまいます。

あわてて他のチャンネルに変える「へそ曲がり」もいるかもしれませんが、それは少数派でしょう。

この場合、もはや薪が燃える映像そのものは、まったく意味を持ちません。何の映像だっていいのです。

視聴率実験という企画に、視聴者はまんまと乗せられただけです。

大げさかもしれませんが、マスメディアによる情報操作にもつながる、なにか恐ろしいものを感じました。