執筆の執念

ライブドア元社長・堀江貴文氏が、4日前に仮釈放となりました。

彼は獄中から、メールマガジンを発信し続けていました。

収監前から毎週配信していた「堀江貴文のブログでは言えない話」がそれです。

目次を見ただけでも、時事ネタ、起業記、近況報告や書評など、バラエティーに富んだ内容で面白そうです。

収監中の配信では、「ダイエットに効果的なグルメ情報(獄中版)」のような自虐ネタも満載です。

有料(月840円)でありながら1万人以上の購読会員があり、服役中にもかなり稼いでいたことになります。

ホリエモン恐るべしです。

仮釈放後、彼は「インターネットを使ったニュース批評の新しい形を事業化したい」と語っていました。

長野刑務所では、かなり充電したようです。その才能を、これからは良いコトに使って欲しい。

服役囚と書き並べるのも恐縮ですが、脳梗塞で入院していた石原慎太郎氏も、病床で小説を書いたそうです。

しかもそれを「非常にいい短編小説」と自画自賛してはばかりません。これまた恐るべき人物です。

私が万一、入院したり収監された場合、この人たちと同じような執筆活動ができるとは、とても思えません。

もちろん、入院も収監も、できれば避けたい。まずはそれからです。

感度と特異度

「新型出生前診断」が来月から、あくまで臨床研究という形で、日本でも始まります。

簡単な血液検査によって、胎児の染色体異常が高い精度で判明する検査ですが、賛否が分かれています。

たとえば、ダウン症という染色体異常の検査精度は、「感度」99.1%「特異度」99.9%だそうです。

これを見て、すごい的中率だと思うのは間違いです。

そもそも、感度とか特異度の意味がわかりにくいのが問題です。そこで具体的な数値をあげて考えてみます。

病気Aの人を検査して、その病気を正しく感知できる確率が「感度」です。それが99.1%だとしましょう。

裏を返せば、病気Aであるにもかかわらず陰性となる「偽陰性」の確率が0.9%あるということにもなります。

病気Aでない人を検査して、正しく陰性と判定できる確率が「特異度」です。それが99.9%だとします。

裏を返せば、病気Aではないにもかかわらず、陽性と判断してしまう「偽陽性」の確率が0.1%あるわけです。

ここで重要なポイントは、この病気A自体の発生率です。たとえば出生時の発生率0.1%と考えて進めます。

妊婦が10万人いれば、病気Aの子が100人生まれる計算になります。残る99900人は病気Aではありません。

病気Aの子100人のうち、感度99.1%の検査によって、正しく陽性と診断される人数は約99人となります。

病気Aではない子99900人のうち、特異度99.9%の検査で、偽陽性になってしまう人数は約100人います。

10万人全員を検査した場合の陽性者は、全部で199人となりますが、そのうち本当の病気Aは99人だけです。

つまり、発生率0.1%の場合、的中率(厳密には陽性的中率)はたったの50%というわけです。

しかし、病気Aの発生率が0.3%の場合には的中率は75%となり、1.0%なら的中率91%と高くなります。

ちなにみ、30歳、35歳、40歳の妊婦のダウン症出生率が、それぞれ約0.1、0.3、1.0%です。

年齢や病歴などからハイリスクと考えられる妊婦に限れば、的中率の高い検査となるわけです。

しかしもっと大きな問題は、陽性と診断された場合の、その後です。これについては別の機会に書きます。

ヒブなど定期接種へ

「<a href="http://tsuruhara9linic.blog116.fc2.com/blog-entry-481.html" target="_blank" title="予防接種法の一部を改正する法律案">予防接種法の一部を改正する法律案</a>」が本日午後、参議院本会議で可決・成立しました。

ヒブ、小児肺炎球菌、子宮頸がんワクチンの3つが、4月1日から定期接種となることが確定しました。

定期接種化することで、ワクチンへの信頼も増し、接種者も増えるでしょう。よかったです。

まあそれにしても、きわどいタイミングで成立したものです。国会もヒヤヒヤさせてくれます。

国会監視が<a href="http://tsuruhara9linic.blog116.fc2.com/blog-entry-536.html" target="_blank" title="マイブーム">マイブーム</a>なので、ここのところヒマがあれば、国会中継を見ていました。

YouTubeやニコ動じゃないですよ。国会から直接ネット配信されている、純正の生中継映像です。

今日の本会議では、議事の一番最後に、本法律案の順番が回ってきました。

まず、昨日の厚生労働委員会の顛末を、武内則男委員長が報告。これがわずか1分50秒で終了。

その後ただちに、押しボタンによる投票。結果はすぐ出ます。

投票総数231、賛成230、反対1(はたともこ氏)でした。可決です。何も面白い場面はありません。

形式的な本会議とは異なり、内容的に面白いのは、やはり委員会でしょう。質疑応答が何時間も続きます。

よく見てみると、同じ政治家でも、ちゃんとわかっている人と、シロウトの方との差が大きいです。

たとえば厚生労働大臣政務官の、とかしきなおみ氏は後者の方。

子宮頸がんワクチンの商品名「ガーダシル」のことを「ガダーシル」と言うのです。なんかムカツク。

もうちょっと予習して来てほしい。

キーボード騒動

予防接種の時間帯には、バッハの「平均律」を院内BGMにしています。ピアノ曲が好きなのです。

好きな演奏者は、バッハで言えばグレン・グールド、ジャズで言えばビル・エバンスやチック・コリア。

とくにチック・コリアの弾く「ローズ(Rhodes)」というキーボードの音色が好きです。

自分で自在に演奏できたら、どんなに気持ちいいことかと思います。

そういう私も、ある意味「キーボード奏者」と言えなくもない。パソコンのキーボードですけどね。

毎日驚くほど長時間キーボードに触れ、ある程度「自在に」使いこなしてますし。

適度な「キー・ストローク」のあるものが好きですが、デザインの良いものは、どうしてもやや浅めですね。

ところで、当院職員が使っている電子カルテ用のMacのキーボードが、最近故障しました。

「リターン・キー」のキートップのプラスチックが外れてしまったのです。

はめ込もうとしても、うまくはまらないので、外しっぱなしにして放置してみました。

キートップが無くても、内部の部品を直接押せば、なんとかなるからです。

と思ってたら、職員から苦情が相次ぎました。すごく押しにくいそうです。やっぱり。

古いキーボードを見つけて、取り替えてみましたが、それも古すぎて不評。

<a href="http://tsuruhara9linic.blog116.fc2.com/blog-entry-540.html" target="_blank" title="昨日の">昨日の</a>ディスプレイといい、開業5年半にして、パソコン周辺機器の老朽化が目に付きます。

私自身が老朽化していないか、それも問題です。

ディスプレイ騒動

今朝は久しぶりにドタバタしました。まあ聞いて下さい。

ネットと電話による、診療予約の受付を開始する直前、7時55分頃のことです。

受付のメインのPC(Windows)が立ち上がらないとの通報がありました。駆けつけると画面が真っ暗です。

どうやらPCは生きている様子。ランプは点灯し、ファンも回っている。

電源ボタンを長押しして再起動。画面に反応なし。

となるとディスプレイの問題か。こういった場合、たいていはケーブルの接続不良。

何度か抜き差ししてみるけど、変化なし。まずい。受付時刻まであと2分。ヘンな汗が出てきた。

この時ひらめきました。別のPCのディスプレイをつないでみよう。

受付にはもう一台、ネット予約サイトを操作するためのWindowsマシンがあるではないかっ! それだっ!

そのディスプレイのケーブルをはずし、受付のメインPCに接続。

やった、画面が現れた! 助かった!

この瞬間、ちょうど8時。ギリギリセーフ。予約の電話が鳴ります。ネット予約も入ってくる? なぬっ? 

予約システムのディスプレイが無いっ! さっきはずしたっ! これでは発券ボタンがクリックできないっ!

(↑この文は、ジャック・バウアーの声でお読み下さい)

どうやら私は、最も重要なディスプレイをはずしてしまったようです。さあどうする、元に戻すべきか?

その時また、ひらめきました。レントゲン室にもWindows PCがあった! そのディスプレイを使おう!

かくして、受付の2台のPCは無事稼働し、レントゲン操作のみができない状態に置き換わりました。

レントゲン検査が必要になった場合は・・・、また何かひらめくでしょ。

視聴率実験

ノルウェーのTV番組で、「薪が燃える映像」だけを12時間流し続けたときの視聴率が20%だったとのこと。

これをヒントに、あるバラエティー番組が「視聴率実験」を企てていました。

薪が燃える映像だけを2分間流し続け、その間に視聴率が上がるかどうかを確かめようというわけです。

実際に視聴率は急上昇したようですが、はたしてそれで、どのようなことを結論づけられるのでしょうか。

視聴者の多くはこの実験に興味を持ち、その結果も知りたくて、そのまま同じ番組を見続けたはずです。

なにか面白い番組やってると、知人に連絡した視聴者もいたかもしれません。

視聴者のこれらの行為はすべて、視聴率アップにつながったことでしょう。

「いまから視聴率が上がるか実験します」と宣言されたら、多くの視聴者はその実験に参加してしまいます。

あわてて他のチャンネルに変える「へそ曲がり」もいるかもしれませんが、それは少数派でしょう。

この場合、もはや薪が燃える映像そのものは、まったく意味を持ちません。何の映像だっていいのです。

視聴率実験という企画に、視聴者はまんまと乗せられただけです。

大げさかもしれませんが、マスメディアによる情報操作にもつながる、なにか恐ろしいものを感じました。

記憶量保存の法則

年を取るにつれて生じる、時間や記憶に関連した変化をまとめてみると、

(1)物忘れが激しくなる。これは<a href="http://tsuruhara9linic.blog116.fc2.com/blog-entry-184.html" target="_blank" title="以前にも書きました">以前にも書きました</a>。大事なことなので何度も言っておきます。

(2)昔話が多くなる。20年30年前のことでも、<a href="http://tsuruhara9linic.blog116.fc2.com/blog-entry-210.html" target="_blank" title="つい最近のことのように">つい最近のことのように</a>感じます。

(3)時間の流れを早く感じる。これは「ジャネーの法則」を紹介して、<a href="http://tsuruhara9linic.blog116.fc2.com/blog-entry-485.html" target="_blank" title="前に書きました">前に書きました</a>。

さて、この3つの現象を同時に説明できる統一理論を、私は今夜ついに解明しましたので、ご紹介します。

それは「脳内の記憶容量は、生涯不変である」とする「記憶量保存の法則(仮称)」です。

この理屈によって、上述した(1)〜(3)を説明していきましょう。

(1)物忘れが激しくなる

記憶量保存の法則では、10歳でも50歳でも80歳でも、脳内に記憶されている情報量は同じと考えます。

新たな情報を記憶するためには、過去の情報を希薄化し、新たな情報も薄めにして取り込む必要があります。

だから古い情報はどんどん薄れますが、新たな情報も、最初から薄くて忘れやすいのです。

もちろん、記憶した情報を取り出せるかどうか(思い出せるかどうか)は、別の問題です。

(2)昔話が多くなる

記憶の中での「古さ」とは、記憶容量全体のうち、新しい方から何%ほど前の情報かということになります。

50歳の人の25年前の思い出は、記憶情報の50%ほど前の記憶であり、20歳の人の10年前に相当します。

古い思い出にひたると、新規情報として再び記憶されるので、そのことばかりを思い出すようになります。

(3)時間の流れを早く感じる

記憶容量全体のなかで「1%ほど前の記憶」は、10歳児にとっては1カ月前の、50歳だと半年前の記憶です。

人間はこれらを、同等の古さと感じるのではないでしょうか。

とすれば、時間の流れの感覚とは、ほんの少し前の記憶をどれぐらい古く感じるか、だと思うのです。

この理論を思いついて、いま私はけっこう悦に入っています。

作業手順を守る

ミスタードーナツで、従業員が間違えて、客に漂白剤入りの水を提供する事故が、一昨日起きました。

飲料水用のピッチャーを洗う際に、水と漂白剤を入れて放置したため、別の従業員が水と間違えたようです。

問題点は以下の2つ。

(1)本来はシンクに浸して洗う規則なのに、従業員がその作業手順を守らなかった。

(2)作業途中で従業員は帰宅し、翌日、別の従業員はそれを飲用水だと思い込んだ。

今日はこのうち(1)について、なぜ作業手順が守られなかったのかを考えてみました。

人は必ずミスをします。勘違いや思い違いをします。

しかし、シンクに漬けてあるピッチャーを、うっかり間違えて、そのまま飲用に使うことはないでしょう。

つまり「シンクに浸して洗う」という規則は、間違えて使用しないようにするための仕組みでもあるのです。

ところが、その作業手順の意図が、従業員に伝わっていなかったから、今回のことが起きたのだと思います。

従業員はおそらく、手間を省き、短時間で、しかも節水もできる方法で洗浄したつもりなのでしょう。

翌日には誰かが、ピッチャーの中味を捨てて、すすぎ、洗浄を完了してくれるだろうと、そう思ったのです。

このような「自己流のアレンジ」が、ミスを防ぐために作られた作業手順の意図を台無しにします。

なぜそのような規則になっているのか、その理由や目的を理解させることが、遵守への第一歩だと思います。

国会審議

「<a href="http://tsuruhara9linic.blog116.fc2.com/blog-entry-481.html" target="_blank" title="予防接種法の一部を改正する法律案">予防接種法の一部を改正する法律案</a>」の審議状況が気になり、国会のHPをチェックしてみました。

ていうか、国会とか省庁のHPを見て回るのが、マイブームなのです。

衆議院と参議院がそれぞれ独立しているように、両者のサイトも、思いっきり独立しています。

トップページには、お互いへのリンクすらありません。

議案の一覧表を見ると、全部で43の法案(法律案)が、現在同時に審議されているようです。

その中では、既存の法律の一部を改正する法律案の類が、いちばん多い。

たとえば公職選挙法、地方税法、電波法、健康保険法、道路法、港湾法、福島復興再生特別措置法などです。

戦没者等の妻に対する特別給付金支給法なんてのも、その一部を改正しようとしているようです。

国会議員の先生方におかれましては、すべての法案に、きっと十分に精通しておられるのでしょう。

予防接種法の詳細を理解するだけで苦労している私には、とうていマネできません。

ヒブワクチン、小児用肺炎球菌ワクチン、子宮頸がんワクチンは、4月1日から定期接種となる予定です。

ただしそれは、「予防接種法の一部を改正する法律案」が今月中に成立した場合に限ります。

3月19日に衆議院の厚生労働委員会で可決され、昨日、衆議院本会議で可決、参議院に送付された模様です。

来週、参議院の厚生労働委員会に付託され、その後、参議院本会議で可決されなければなりません。

間に合うんでしょうかね、実質あと5日しかないんですけど。

月曜日からまた、やきもきしながら、参議院のHPを監視しなければなりません。マイブームですから。

マンション販売

勤務医の頃も今も、マンション業者から時々、セールスの電話がかかります。

ほぼ例外なく、大阪のマンションです。

業者名を名乗らず、個人名で電話してくることも多いのですが、それはまだマシな方。

勤務医時代には、大学の医局の実在医師の名をかたって職場にかけてくる、ふとどきな業者もありました。

「節税対策に」とか「いいお話があります」とか「儲かる話ですよ」などと、関西弁でまくしたててきます。

「節税するほど稼いでいません」と言い返すと、「またまたご冗談を」と一笑に付されてしまいます。

「もっといい話かと思った」と皮肉を言えば、「最後までお聞きになればわかります」と食い下がる。

「儲かるなら、あなたが買ったらどうですか」と言ってみたら、「もう買いました」と明らかにウソ。

「電話セールスは、必ずお断りするポリシーなので」に対しては、「ポリシーが変わりますよ」です。

まぁ、それにしても、「ああ言えばこう言う」のオンパレード。しかも関西弁。

電話を切れば済むことなのですが、私の悪いところは、そのセールストークをしばらく聞いてしまうこと。

自分がどれだけ平静さを保てるか、ふとそれを試してみたくなるのです。ま、結局時間のムダですが。