コンクラーベ

ローマ法王ベネディクト16世が、高齢を理由に今月末で退位することを表明しました。

そうなると、来月にも行われるのが、ローマ法王選出のための選挙、いわゆる「コンクラーベ」です。

そしてコンクラーベと聞くと、どうしても連想してしまう言葉が「根比べ」ということになります。

8年前のコンクラーベのとき「郵政民営化はコンクラーベではなく根比べだ」と言ったのは小泉首相。

映画「天使と悪魔」は、「コンクラーベ好き」にはたまらない映画といえるでしょう。

私にしては珍しく、この映画は劇場で観ました。しかも封切日に。

最近の映画は金曜日に封切られることが多いのですが、金曜日というと当院の休診日なのです。

平日の昼間だからでしょうか、封切日なのに場内はガラガラでした。

私よりも前方に座っている観客は1人もおらず、ちょっとした「貸し切り」気分で映画が鑑賞できました。

どうやら熊本には、コンクラーベ好きはあまり多くないようです。

この映画では、シュトラウス枢機卿役の、アーミン・ミューラー=スタールが渋くて良いですね。

映画「シャイン」で主人公の父親役を演じた、私の好きな俳優です。

昨日報道されたところでは、コンクラーベの開催時期が来月前半に早まりそうだとのこと。

予習かたがた、録画しておいた「天使と悪魔」を先ほど観なおしたところです。

マダニに注意

ダニが媒介する新しい病気が日本国内でも発生し、問題になっています。その名も、

「重症熱性血小板減少症候群(Severe Fever with Thrombocytopenia Syndrome: SFTS)」

最初にこの疾患が報告されたのは2009年、中国の山岳地域での集団発生だそうです。

2011年にウイルスが確認され、マダニが媒介することが判明しました。

死亡率10〜30%で、特効薬やワクチンはありません。

日本でも昨年、山口県で発生が確認され、最近になって厚労省も情報提供を進めています。

マダニは日本全国の「草むら」などにも分布しているそうです。春から秋が「活動期」とのこと。

草むらでは「長袖長ズボンを着用する」のが予防法だそうですが、夏場にそんなこどもはいないでしょう。

マダニは数日間以上からだにとりついて「咬み続ける(吸血し続ける)」そうです。これは知らなかった。

しかしマダニが「とりついている」ことに気付いても、無理に引きはがしてはいけないそうです。

なぜなら「マダニの一部」が皮膚内に残ってしまうからです。うわぁ、それは避けたい。

厚労省のHPには、次のように記載されています。

「吸血中のダマニに気付いた際は、できるだけ病院で処置してもらって下さい」(原文ママ)

いやあ、そんな方がウチを受診されても困りますけどね。私は上手に引きはがす自信がありません。

おまけに「ダマニ」だし。

隕石落下

おりしも、小惑星が地球に接近しつつある時に、ロシアに隕石が落下しました。

映画「アルマゲドン」の冒頭と酷似した状況であり、いろんな展開を想像してドキドキしてしまいました。

残念なことに、ではなく幸いなことに、小惑星は今朝、無事通り過ぎていったようです。

それでも、地表から地球2個分の距離まで接近していたといいますから、かなりのニアミスと言えます。

ロシアに落ちた隕石は直径17メートル、重さ1万トン。広島型原爆30発分の威力があったと分析されました。

一方で通過した小惑星は直径45メートル、重さ13万トン。落下すれば原爆数百個分の威力だったそうです。

落下しなかったので小惑星のままですが、落下した場合は隕石と呼ばれることになります。

6500万年前に恐竜を絶滅させたのは、直径10Km以上の巨大隕石でした。とんでもないですね。

もしも巨大な小惑星が地球に落下することが判明したら、人類は総力を挙げてそれを阻止せねばなりません。

小惑星を破壊したり軌道を変えるために、核兵器で攻撃するという選択肢もあるかもしれません。

世界中の核兵器をすべて使えば、なんとか衝突を回避できるかも、ということになりますね、ドラマなら。

ところが、1発だけコッソリ手元に残しておくズルい国があるんですよね。仮に北朝鮮としましょう。

おかげで、あと一歩のところで小惑星は破壊できず、それが韓国めがけて落ちてくる。

もはや韓国壊滅か。と、ギリギリのところで北朝鮮が、隠していた核兵器を発射し、小惑星は破壊される。

バツの悪そうな金正恩。しかし朴槿惠韓国大統領は彼を責めず、握手を求める。安倍首相も笑っています。

(三流ドラマ・おわり)

宿直手当

「勤務医の宿直には残業手当を払え」

この当たり前のような大阪高裁の判決が、2月12日、最高裁の決定によって確定しました。

<a href="http://tsuruhara9linic.blog116.fc2.com/blog-entry-395.html" target="_blank" title="以前にも書いた">以前にも書いた</a>ように、多くの勤務医は長時間にわたる「時間外労働」と「宿日直」を行っています。

しかし、時間外労働の一部または大部分または全部が、<a href="http://tsuruhara9linic.blog116.fc2.com/blog-entry-70.html" target="_blank" title="手当の支払われない">手当の支払われない</a>「サービス残業」です。

さらに宿日直は「時間外労働」としても認めてもらえていないのが現状です。

「宿日直というものは、実際に診療に従事する時間は短く、ほとんどが待機時間である」

という、宿直医の現実を無視した解釈によるものです。

その結果、宿直明けにも通常勤務が行われるので、医師の過労と医療安全性の低下を招くことになります。

厚労省の調査によって、勤務医の時間外労働時間の平均値が月に100時間を越えることが、判明しています。

労働基準法には「36協定」という抜け穴があるので、この残業時間が即違法とはならないかもしれません。

しかし、月に約80時間とされる「過労死水準」を越えた勤務医は、その大半が過労死予備軍というわけです。

こんな過酷な状況が、何年も前から指摘されているのにもかかわらず、世論が盛り上がってきませんでした。

なので今回の最高裁の決定は、勤務医の処遇改善につながるものと期待されます。

「宿日直は、実際に診療に従事した時間だけではなく、待機時間を含めて全て勤務時間である」

この当たり前のことが、ようやく常識となりそうです。

北朝鮮核実験

北朝鮮が一昨日、3度目の核実験を行い、それを堂々と発表しました。

「我が国は核抑止力を保持していますので、そこんとこよろしく」と、世界に向けて発信したわけです。

そうはいっても、北朝鮮の核兵器保有数は、多く見積もって数発程度と言われています。

世界の核保有数を調べると、米露が約1万発ずつ、英仏中が数百発ずつ、印パとイスラエルが数十発程度。

じゃあ北朝鮮なんて、全然核抑止力ないじゃん、と言うのは間違いです。

核兵器は、少しずつ使用したり、敵と何度も打ち合ったりするような兵器ではありません。

何十発も発射されるような事態になれば、それはもはや地球の破滅です。

1発目で即、最終的局面に陥る引き金を引く可能性すらあります。

だから核兵器は、それを1個持っているだけでも、米国と対等の「核抑止力」を得ることができるわけです。

さらに考えてみると、米国などの保有国が核兵器を使用することが実際にありえるのか、疑問です。

その国に「正気」があれば、核兵器の使用で引き起こされる、世界の破滅的状況を想像するからです。

人道的見地からも、地球環境の観点からも、核兵器使用国は人類の歴史に汚点を残すことになります。

なのでその国が「正気」を保っている限り、核兵器の使用はありえないでしょう。

だからこそ、北朝鮮が核を持つことは、本当に怖いです。正気を持たない国なので。

コラーゲン

1本200円とか400円の、コラーゲン含有の美容ドリンクまたはゼリーを毎日飲んでいる方、朗報です。

出費を減らせるかもしれません。よく知られている、以下の科学的事実と向き合って下さい。

「コラーゲンを飲んでも食べても、消化されたらコラーゲンではなくなる」

コラーゲンというのは、動物の体を構成する、いちばんありきたりなタンパク質です。

肉や魚などの主成分といってもよく、ほかのタンパクと同様に、多くのアミノ酸が結合してできています。

消化されたらバラバラのアミノ酸、またはアミノ酸が数個連なったペプチドに分解されます。

そのアミノ酸は小腸から吸収され、全身に運ばれて、さまざまなタンパクを作るための原料となります。

コラーゲンを必要とする皮膚などの現場(細胞)では、必要に応じて、その場でコラーゲンが合成されます。

アミノ酸を原料にして「現場で合成」するのであって、コラーゲンがそのまま届くのではないのです。

原料のアミノ酸が、高価な美容飲料出身であろうと安い豚肉出身であろうと、でき上がるコラーゲンは同じ。

コラーゲン豊富な豚足を食べた翌朝、肌がツルツルになっているのも・・・気のせいです。

石原節

休診日の暇つぶしは、久しぶりに「<a href="http://tsuruhara9linic.blog116.fc2.com/blog-entry-265.html" target="_blank" title="国会中継">国会中継</a>」でした。今日は、衆議院予算委員会の生中継を堪能しました。

とくに日本維新の会の石原慎太郎氏。その「独演会」は、100分間しっかり楽しめました。

「最高権力者であるあなたが現憲法を破棄したら、それを阻害する法律はありますか」

冒頭からいきなり安倍首相に、挨拶代わりのジャブです。答が出るわけもなく、次に進みます。

「シナはシナでいいじゃないか。中国といったら山口県とか岡山県とか広島県のことでしょう」(爆笑)

石原氏の発言中に、中国を指す言葉は何十回もありましたが、そのほとんどを「シナ」で通しました。

「尖閣は、国が買い取って今のていたらくだ」「全国民のために、あそこに灯台を作ってほしい」

東京都が買わなかったことを、石原氏は後悔しているようです。

「防衛省の文官の言っていることは全部ダメ。是非、現役軍人またはOBの意見を聞くべき」

とくに「OB」を強調してました。アテがあるのかもしれません。もしや志方俊之氏とか田母神俊雄氏とか?

「パチンと鯉口を切ったらいい」

それってつまり「<a href="http://tsuruhara9linic.blog116.fc2.com/blog-entry-490.html" target="_blank" title="レーダー照射返し">レーダー照射返し</a>」とか? 中国の挑発に乗って見せたら、向こうが逃げ出すとの理屈。

「イスラエルのモサドに聞いても(中国の制海力・制空力が日本に劣るという)評価は変わらない」

世界最強の諜報組織とも言われるモサドに知り合いがいる? まったくウソでもなさそうなのが恐ろしい。

「コンベンショナル・ストライク・ミサイル導入を、ぜひぜひ考えていただきたい」

すごい提案です。首相も防衛相もキョトン。「多少知識があるので」と答弁した麻生太郎氏も残念、的外れ。

「天皇陛下の靖国参拝を、陛下に奏上してもらいたい」

天皇は「神道の大司祭」であると石原氏。日本維新の会は、党名を「神道日本」にしてはどうか。

ミドリムシ

学校の顕微鏡で観察して以来、何十年も記憶の彼方にあったミドリムシが、最近話題ですね、食材として。

ネットを見ると、ミドリムシが健康食品のような扱いで販売されています。粉末で1gあたり数十円ぐらい。

多くのサイトが、ミドリムシと言わずに「ユーグレナ」という、ミドリムシの別名を使っています。

やっぱり「ミドリムシ」には抵抗があるのか。「あぶらむし」と似た語感なのもいただけません。

ミドリムシは、「動物」のように鞭毛があって動き回り、「植物」のように葉緑体を使って光合成をします。

いったいミドリムシは、動物なのか植物なのか。

ミトコンドリアの遺伝子は動物、葉緑体の遺伝子は植物由来と考えられるそうです。

つまり、動物と植物が「共生」している状態と言えます。動物か植物かで悩むのは無意味なのです。

通販の、ミドリムシを乾燥したものは、ぱっと見、青汁にそっくりの緑色の「粉末」です。

火を通せばともかく、生のままで御飯にふりかけるのには、ちょっと勇気が必要ですね。

ましてや、味噌汁のような液体に入れるとなると、ゾワゾワ泳ぎ出すのではないかと心配になります。

DHAとEPA

今朝の新聞に、サントリーの健康食品「DHA&EPA」の折り込み広告が入っていました。

DHAやEPAは、ともに青魚などに含まれる「多価不飽和脂肪酸」で、動脈硬化の予防効果があります。

これらは体内で合成できないため「必須脂肪酸」とも言われます。

このような栄養素は、もちろん本来は食品から摂取するべきですが、足りない分を補うのがサプリです。

新聞や雑誌だけでなく、TVでもサプリのCMや通販番組をよく目にします。

この手の広告は、ある栄養素の必要摂取量を示し、それを全部食品から摂るのは大変ですよ、とあおります。

サントリーによれば「毎日マグロの刺身(赤身)を9人分食べなければなりませんよ」となるわけです。

チラシには赤身の刺身9人前の写真をドーンと掲載し、これ全部毎日食べられますか、と言わんばかりです。

そんなバカな話はないでしょう。赤身なんて、多価不飽和脂肪酸の含有量は多くないはずです。

確認のため、文科省のHPから「五訂増補日本食品標準成分表」をダウンロードしてみました。

驚くべきことに、多価不飽和脂肪酸の含有量は、マグロの赤身は魚介類の中では最低に近い部類です。

私の好きなブリの刺身はマグロ赤身の20倍、さば味噌缶詰では40倍の、重量当たり含有量でした。

ざっと見て、マグロ赤身以外の刺身か魚料理を、週に2,3回も食べたら摂取量としては十分と思われました。

サントリーのような巧妙な誇大広告って、取り締まることはできないのでしょうかね。

TVにツッコミ

TV番組を見ていて、出演者につい「ツッコミ」を入れてしまうことって、ありますよね。

私は最近、それが多いのです。

もちろん「双方向TV」ではないので、私のツッコミはつまるところ、単なる「ひとりごと」です。

とくにニュースや報道系の番組で、ツッコミを入れていることが多いようです。

出演者の発言内容などに、疑問や違和感を感じたときです。

彼らはその言葉を、少なくとも数百万の国民に向かってしゃべっているという自覚があるのでしょうか。

「ジャーナリスト」が我田引水なことをしゃべったりすると、まずツッコまざるを得ません。

「コメンテーター」といわれる人間が、偉そうに大ウソをコメントすると、私のツッコミが炸裂します。

相手に伝わらないことは承知していますが、やむにやまれず、TV画面に対して「もの申す」わけです。

家族からは「副音声がうるさい」と苦情が出ていますが、そんなことはお構いなしです。