エジプトで起きた熱気球事故は、その状況が詳しく報道されるにつれて、ますます熱気球の怖さを感じます。
出火したのは着陸直前、地上数メートルまで低下していた時だったといいます。
このときに、高度が低いうちに、何か手を打てなかったのでしょうか。
カゴはあっという間に炎に包まれ、その熱で熱気球は急上昇したとのこと。
もはや一刻も早く飛び降りるしかない状況です。躊躇している間にどんどん上昇していきます。
そのことを知っていたのか、真っ先に飛び降りたのがその気球のパイロット。ヒドイ話です。
私は熱気球を見ると、あの激しい炎がバルーンに燃え移りはしないかと、いつもヒヤヒヤします。
佐賀に住んでいたとき、熱気球の墜落事故の瞬間を、偶然にもホームビデオで撮影したことがあります。
佐賀では毎年、インターナショナルバルーンフェスタという世界的な競技大会が開催されます。
ある年、自宅前の駐車場から、空一面に浮かぶ色とりどりの熱気球をビデオで写していました。
佐賀は空が広いので、自宅からでも熱気球大会が見えるのです。
その夜、テレビで気球墜落事故を知り、もしやと思い、自分が撮ったビデオを再生してみて驚きました。
写っていたのです。しぼんだ熱気球が落下していく様子が、遠くの方に小〜さく、豆粒のように。
よく見ないと気が付かないほどですが、しかしそれはまさに「スクープ映像」でした。
家人の反対を押し切り、新聞社に通報したのは言うまでもありません。
しばらくして記者が来ました。
画面に映り込んでいるその豆粒を、彼はうなりながらしばらく見つめ、写真に撮って帰って行きました。
その画像をニュースに使うという連絡は、結局ありませんでした。