「勤務医の宿直には残業手当を払え」
この当たり前のような大阪高裁の判決が、2月12日、最高裁の決定によって確定しました。
<a href="http://tsuruhara9linic.blog116.fc2.com/blog-entry-395.html" target="_blank" title="以前にも書いた">以前にも書いた</a>ように、多くの勤務医は長時間にわたる「時間外労働」と「宿日直」を行っています。
しかし、時間外労働の一部または大部分または全部が、<a href="http://tsuruhara9linic.blog116.fc2.com/blog-entry-70.html" target="_blank" title="手当の支払われない">手当の支払われない</a>「サービス残業」です。
さらに宿日直は「時間外労働」としても認めてもらえていないのが現状です。
「宿日直というものは、実際に診療に従事する時間は短く、ほとんどが待機時間である」
という、宿直医の現実を無視した解釈によるものです。
その結果、宿直明けにも通常勤務が行われるので、医師の過労と医療安全性の低下を招くことになります。
厚労省の調査によって、勤務医の時間外労働時間の平均値が月に100時間を越えることが、判明しています。
労働基準法には「36協定」という抜け穴があるので、この残業時間が即違法とはならないかもしれません。
しかし、月に約80時間とされる「過労死水準」を越えた勤務医は、その大半が過労死予備軍というわけです。
こんな過酷な状況が、何年も前から指摘されているのにもかかわらず、世論が盛り上がってきませんでした。
なので今回の最高裁の決定は、勤務医の処遇改善につながるものと期待されます。
「宿日直は、実際に診療に従事した時間だけではなく、待機時間を含めて全て勤務時間である」
この当たり前のことが、ようやく常識となりそうです。