インフルエンザの流行期が迫ってきたので、「発熱」の話を少し。
こどもの場合、熱中症などを除けば、熱の多くは「感染」が原因です。
そして感染症では「熱は必ずしも下げない方が良い」という考え方が、ある程度広まってきました。
いちばん基本的なことは、細菌やウイルスなどの病原体が熱を引き起こすのではない、ということです。
熱が高い方が、体内の免疫システムが活性化されるので、そのために体がわざと熱を上げているのです。
外敵の侵入を感知した警備員(免疫細胞)は、血流を介して、本部(脳)に発熱を「要請」します。
本部はからだの「設定温度」を上げ、その目標に到達するための「発熱命令」を、神経に伝えます。
その結果、熱発生装置(筋肉)が震えて熱を発生し、皮膚の血管は縮んで体表面からの放熱を防ぎます。
こうして、もくろみ通り体温が上がり、防衛軍(免疫システム)は元気良く外敵と戦える、というわけです。
さて、ここからは、私だけの「発熱対策」なので、マネしないと約束できる方だけ、お読み下さい。
発熱したら、寒気があるうちに、43度ぐらいの熱い風呂に入ります。そしてからだを芯から温めます。
からだの発熱反応を手助けしてやるわけです。言ってみれば「温熱療法」です。
寒気が完全に消えて、すっごく暑くなったら、温熱療法は終了し、放熱モードに切り替えます。
どうしてもマネしてしまう方がいるかもしれないので、注意点を。
温熱療法が実施できるのは、基礎疾患のない大人に限ります。しかも寒気や震えがある間だけ。
水分は十分摂ること。2日目の熱では行いません。