禁煙補助薬「チャンピックス」を用いた禁煙治療を始める方が、当院でもだんだんと増えています。
この薬が登場する前までの禁煙補助薬と言えば、ニコチンガムとニコチンパッチでした。
いずれもニコチンを含む薬剤であり、タバコの替わりにニコチンを補う「代替療法」です。
これには、タバコから離脱できたとしても、ニコチンからの離脱で結局苦労するという問題点がありました。
一方でチャンピックスは「ニコチンではないけども、脳に対してニコチンに似た作用をする」のが特徴。
この薬の内服中は、もし喫煙してもニコチンが脳に作用するのがブロックされ、タバコがまずくなります。
だけどもチャンピックス自体が脳に作用しているので、離脱症状は出にくいと、そういう仕組みです。
ニコチンから離脱できても、喫煙習慣を断ち切るには、個人個人で努力と工夫をしてもらうしかありません。
「口寂しさ」を紛らわすためにパイポを使う方も多いです。
「電子タバコ」はオススメできません。電子タバコにはニコチンを含むものがあるので要注意です。
ところで、チャンピックスの副作用には、胃痛や便秘や頭痛などに加えて、不眠、眠気などがあります。
眠れなくなったり、眠くなったり、この薬が脳に作用していることを物語っています。
気になるのは、「異常に夢を見る」「夢ばかり見て困る」と訴える方が時々あることです。
「夢好き」の私なら、そんな楽しい副作用は歓迎するのですが。