ノロウイルス感染が流行し、その検査をすることも多くなりました。
患者さんが持参した便(たいていはオムツごと)を使って行う「迅速診断」検査です。所要時間は15分。
この「ノロウイルス抗原定性検査」の問題点は「保険適用」の範囲が限られていることです。
お役所の規定では、この検査に保険が適用できるのは、
(1)3歳未満の患者
(2)65歳以上の患者
(3)悪性腫瘍、臓器移植後、免疫抑制剤投与中の患者
このような縛りがあるので、3歳以上の患者さんの検査がやりにくいのが現状です。
同様の規定は、ひところ流行した(いまも散発している)RSウイルス感染の検査でも存在します。
「RSウイルス抗原定性検査」の「保険適用」の範囲は、
(1)入院患者
(2)乳児
(3)慢性肺疾患や先天性心疾患の2歳未満の患者
このうち(2)(3)が認められたのはつい1年前から。それまでは外来では保険が利きませんでした。
「重症化しやすい低年齢に対してのみ、検査を認める」というのが、これらの年齢制限の趣旨なのでしょう。
過剰検査を抑制したいのはわかりますが、必要性がある場合には、保険適用が認められるべきだと思います。
このような杓子定規な取り決めが、診療報酬制度にはたくさんあります。