長期休暇

「5年後のクリニックと自分を想像してみよう」

開院する直前に、私と職員たちが意見を出し合ったテーマです。

その時の、私の答はズバリ「クリニックを長期休診にしてみんなで休暇をとる」

なかなか夢のある発想でしたが、なにぶん当時は、経営というものを知らなかったのです。

おまけに、長期休診によって地域の方々に迷惑がかかることにも、その時は思い至りませんでした。

休暇をとりながらも休診にはしないためには、代診が必要です。私の代わりに診療を行う医師のことです。

「イケメンの代診医が来てくれるなら、先生はいつでも休暇をとって下さい」というスタッフもいます。

代診医には当院の電子カルテを使ってもらうことになるので、あからじめある程度のレクチャーが必要です。

電子カルテだけならまだしも、ミニカルテの作成は、かなり煩雑で誰もやりたくない作業です。

そんなこんなを考えると、当院の代診って、不可能なんじゃなかろうか。

ていうか「みんなで休暇をとる」ためには、どっちみち休診にしなければならないでしょう。

まだ一度も開催したことのない職員旅行を企画して、ひなびた温泉にでも出かけてみましょうか。

問題は、毎日十数時間顔を合わせているスタッフが、せっかくの休暇を私と共に過ごそうと思うか、です。