too〜to〜構文

「Appleは、自社製品より優れた製品をApp Storeで公開するにはあまりにも自尊心が高すぎる」

iOSがGoogle Mapsを承認するかどうかについての、CNETの翻訳記事を読んでいて出くわした一文です。

これは「too〜to〜構文」に違いない。そこでオリジナルを当たってみると、確かに、

“ it is simply too proud to let a superior product into its store. ”(ここでitはAppleのこと)

やはり「too〜to〜構文」でした。問題はその訳し方です。2通り考えられます。

(1)自尊心が高すぎて公開できない

(2)公開するには自尊心が高すぎる

学校ではおもに(1)で習いました。ところが翻訳記事は(2)。そして(2)の方がしっくりきます。

(1)では「公開できない」ことに、(2)では「自尊心が高い」ことに重点を置いているように感じます。

おそらく原文でも、“too proud”(Appleの自尊心が高いこと)を強調したいのだと思います。

実際、AppleがGoogle Mapsを公開する可能性は残っています。この記事の論点もそこでした。

英語では、大事なことが初めに来ます。反対に日本語では、大事なことが最後に来ます。

たしかに英文を読んだり、とくに聞くときにおいては、英語の語順で理解することが大事かもしれません。

しかし「翻訳文」においては、英語的な語順を守ると、強調すべき点がずれてしまうような気がします。

だから(1)よりは(2)の方がいいと思うのです。