山中伸弥教授が、ノーベル医学生理学賞を受賞しました。
「受賞できたのは、日本という国に支えられたから」とは受賞の弁。一方でかつては、
「米国に比べて日本は、10年20年遅れた環境で研究している」という発言もありました。
山中氏でさえも、かつては、自分の実験用のネズミの世話で苦労していた時代もあったそうです。
レベルの違う話でたいへん恐縮ですが、私もかつては、同じような苦労をしていたことを思い出します。
大学で、ネズミ(ラットや天竺ネズミ)を使って実験をしていた頃の話です。
供給元のアニマルセンターで動物を受け取ると、その後は実験者が自分で管理しなければなりません。
毎日のエサやりと水やり、ケージの掃除が日課です。
実験室内で動物を取り逃がし、大捕物になることもしばしばありました。
山中氏同様に苦労しましたが、画期的発見にはついに至らず、世間の脚光を浴びることもありませんでした。
日本の科学研究費はまだまだ不足しています。与党政治家が「2位ではダメなんですか」と言う国です。
希望があるとすれば、山中氏の研究が日本で行われたことでしょう。
ノーベル賞受賞ニュースのたびに、基礎研究の充実が叫ばれますが、そのうちウヤムヤになります。
今度こそ、日本の科学技術研究、とくに基礎研究への国を挙げての積極支援を打ち出して欲しいものです。
「iPS細胞」については、書くと長くなるのでまた後日。