クリニックを開院したばかりの5年前、1日の来院患者さんが10人未満の日が続きました。
平均すると、1時間に一人程度のペース。
不慣れな診察に時間を費やしてもなお、患者不在の時間帯の方が圧倒的に長いのでした。
空いた時間に私はもっぱら、電子カルテのセット登録作業などのカスタマイズを行っていました。
他の職員たちはというと、所在なげに、そこにある物品をより適切な位置に移動させたり、また戻したり。
考えてみると、開院したばかりのクリニックを受診するって、患者さんにも勇気が必要ですね。
それが電器店とか衣料品店とかなら、わくわくすることはあっても、勇気はまったく不要です。
ざっと店内を見渡して、開店セール品だけ購入したり、何も買わずに帰るのもアリです。
しかし医療機関は、受診したが最後、ウィンドウショッピングはできません。
出された「商品」を買うしか無く、しかも「定価販売」です。
だから医療機関が評価されるのは「質」だけです。
開院したばかりの当院に、少数の勇気ある方が受診され、リピーターになり、口コミを広げて頂きました。
さらにその口コミが口コミを呼び、少しずつ来院者が増え、いまの当院があります。
そのことを感謝し、初心を忘れず、6年目のつるはらクリニックに全力投球したいと存じます。