脱レアアース

中国がレアアースの大半を産出しているゆゆしき状況は、<a href="http://tsuruhara9linic.blog116.fc2.com/blog-entry-120.html" target="_blank" title="以前にも書いた">以前にも書いた</a>通り。

ところが、日本企業などの「脱中国依存」が進んだせいで、中国企業が苦境に立たされているそうですね。

中国がヘンな輸出制限をするからこうなるのです。

トヨタにいたっては、脱中国どころか「脱レアアース依存」を進めようとしています。さすがです。

それにしても、ハイテクに欠かせない稀少資源は、どういうわけか、ややこしい国から産出されます。

たとえばコンゴ民主共和国。かつてのザイール。この国は以前、タンタルの主要産出国でした。

タンタルとは、いわゆるレアメタルのひとつで、携帯電話のコンデンサーなどに使われるそうです。

以前見たNHKの番組によると、この国は内戦が絶えず、鉱山のある東部地域は無政府状態とのこと。

原石は、非人道的扱いを受けている住民によって採掘が行われ、反政府武装勢力が運び出します。

それが流通・加工されるうちに過去を消し去り、電子部品となって、IT機器に組み込まれるわけです。

我々が手にする携帯端末には、そのような血塗られた出自がある、というのが番組の趣旨でした。

米国はこのような鉱物については、入手経路の開示を義務づける法律を制定しました。

このような人道的配慮、この先ますます重要ですね。

現在、タンタルの主要産出国はオーストラリア。コンゴ産は激減したとのこと。

ちなみにタンタルは、全物質中で最も融点が高く、最も黒い金属だそうです。

「最も黒い」っていうのが、ちょっと意味不明ですが気になります。

Nexus 10と4

「Nexus 7」に次いで、新しいGoogleの携帯端末「Nexus 10」と「Nexus 4」が発表されました。

「Nexus 10」はサムスン製のAndroidタブレット。11月13日発売予定。

なんと、iPadのretina displayよりも高精細な300ppi。むむむ。おまけに軽くて、はるかに安い。う〜ん。

写真で見る限り、質感はiPadには遠く及ばない(ように見える)けど、実物を見なければ・・・

「Nexus 4」はLG製のAndroidスマホ。日本での発売予定はありません。

少し前から、すでにリーク画像がネット上に出回ってましたね。

おまけにそのネタ元が、「バーに置き忘れられた未発表品」だったことが判明。

なんか思い出しますね。<a href="http://tsuruhara9linic.blog116.fc2.com/blog-entry-132.html" target="_blank" title="以前書いたこともある">以前書いたこともある</a>、iPhoneの試作機置き忘れ事件。

どうして重要な機密品を、平気で持ち歩き、しかもバーに置き忘れるのでしょうね。

考えてみると、iPhone4の置き忘れ事件は話題にはなったものの、結局Appleが損したとも思えません。

もしかして、宣伝効果を狙った周到な「リーク」だったのかもしれません。

そして今回Googleも、その手法をマネして話題作りをしたのかも。

このような宣伝方法を称して「置き忘れ商法」だと言う人を、ネットで見つけました。うまい。

接種料金の設定

インフルエンザワクチンの接種料金は、医療機関が自由に設定できることになっています。

自由だからこそ、工夫の余地もあれば、悩む面もあります。

5年前の開院直後は、当院の宣伝も兼ねて、とにかく安くしました。これはある程度有効でした。

2年目はちょっと凝ったことをしました。

当院をよく受診される方に、あらかじめ暑中見舞いを送付し、それを予防接種の割引券にしたのです。

その結果、接種を開始してみると窓口は大混乱です。

「うちには暑中見舞いが来なかったのはどうしてか」というクレームが多数。ごもっとも。

3年目は、新型インフルエンザワクチンと、季節性インフルエンザワクチンのダブル接種の年。

新型の方は全国統一料金でかなり高い。よって被接種者の負担軽減のため、季節性はかなり安くしました。

4年目は、新型と季節性の混合ワクチン。おまけに統一料金制。

自分で料金を決めなくていいのが、こんなに楽だとは思いませんでした。

5年目の昨年から、ワクチン接種量が変りました。3歳未満0.25ml、3歳以上0.5mlの2段階。

したがって料金もそれに合わせて2段階に設定しました。

6年目の今年。年齢と接種回数によって、料金を4パターンとしました。

1回目よりも2回目の方を安くしたのは、2回接種を促すための「インセンティブ」です。

日頃から思うのは、こどもには接種をしても自分はしない親に、どのように接種を促すか。

最近思いついた作戦があります。

家族でまとまって接種する方への割引「家族割」です。

因数分解

数学が好きなのに、その道に進まなかったのは、数学でメシを食うのは厳しいと考えたからです。

私の高校時代は、スマホやインターネットどころか、パソコンすらほとんど見かけない時代。

当時、数学から連想する職業と言えば、学者か教職しかありませんでした。

ところが今の時代、数学だとかコンピュータなどの分野は、とても魅力的で未来的で花形です。

一方で、純粋に学問として数学を研究している人もまた、すばらしい。

「 x^n – 1(xのn乗マイナス1)を因数分解するときには、nの素因数分解がカギとなる」

ある大学の数学科のホームページで因数分解の解説を読んで、最初は「???」でした。

ところが、nを2から24まで試してみて、なるほど、思わず膝を打ちました。

名前が似ているくせに、まったく無関係だと思っていた「因数分解」と「素因数分解」。

この2つが、30数年を経てつながりました。

あまり面白くなかったですね、今日の話。

Windows 8

Windows 8が、昨日発売されました。

そのウリは、タッチスクリーンに最適化された、「Modern」ユーザーインターフェース(UI)です。

開発段階では「Metro」という名で知られていましたが、商標権争いに負けて、改名した経緯があります。

「Windows 8を入れたのに、パソコンがタッチパネルにならん」という笑えるクレームが出てるとか。

当然パソコン本体の買い換えが必要です。それを知らない人でも、Windows 8を買うっていうのが不思議。

ところで、タッチパネルPCって、ホントに使いやすいのでしょうか。

今日は試しに、MacBook Proの画面のところにiPadを立てて、シミュレーションしてみました。

しばらく画面に触れる操作を続けたところ、ひどく腕が疲れました。細かい作業もしにくい。

疲れる原因は、画面が遠いことと、画面の角度が立っていることでしょう。

細かい作業がしにくい原因のひとつは、指の影で画面の目標が見えなくなることでしょう。

長時間触れ続けるためには、スクリーンがもっと手元にあって、ある程度水平である必要があると思います。

指でできるのは、大ざっぱな操作だけ。マウスやトラックバッドの方が、ずっと繊細な作業ができます。

そもそも、パソコンとタブレットでは用途が別。それを融合させるのは無理なのでは?

エクセルやワード中心のビジネスシーンでは、タッチパネルの役割って少なそうです。

ましてや、デスクトップ型PCでタッチパネルを使うのって、ほぼあり得ないと思う。

Microsoftのチャレンジ精神は評価しますが、ちょっとずれてる気がします。

4種混合ワクチン

4種混合ワクチンが、いよいよ来月から、定期予防接種の仲間入りをします。

従来の3種混合(DPT:ジフテリア、百日咳、破傷風)に、ポリオが加わったワクチンです。

DPTとポリオを別々に接種する場合と、医学的には効果が全く同じですが、注射の回数は減らせます。

乳児が接種すべきワクチンの種類がどんどん増えてきているので、スケジュール調整がたいへんです。

途中で風邪をひいたりすれば、接種計画はどんどんずれていきます。

効率良く接種を完了して、早めに免疫をつけるためには、複数のワクチンの同時接種が有効です。

ところが今なお、同時接種に抵抗のある方、懐疑的な方、不安を感じる方がたくさんいらっしゃいます。

しかし考えてみて下さい。

4種混合ワクチンというのは、4つのワクチンを同時に接種するのと同じことです。3種混合なら3つ同時。

インフルエンザワクチンでも、3つの型のワクチンが混合されています。

麻しん/風しん混合(MR)ワクチンは、その名の通り、麻しんワクチンと風しんワクチンの混合です。

混合ワクチンというのはみな、複数のワクチンの同時接種と同じことなのです。

違うのは、あらかじめ工場で混合してあるので、針を刺す回数が1回で済むことぐらいのもの。

同時接種をすることで、新たなリスクが生まれることが無いことは、よく考えればわかることです。

まだまだ啓蒙活動が必要ですね。

サナギ

毎朝掃除していて気付くのは、最近イモムシの糞が減っていることです。

ということは、イモムシも減っていると、そういうことです。

私の駆除が奏効したのかというと、そうではありません。

おそらくイモムシたちは、土にもぐって、サナギになりつつあるのでしょう。

しかし、あとで多数の「蛾」が土から湧き出てくるのもイヤです。

サナギ化防止策としては、樹木の幹に粘着剤を塗り、土に降りてくるイモムシをくっつける方法があります。

市販品で知られるのは、アース製薬の「バラの虫ホイホイ」です。

本来は、アブラムシやゾウムシが土から上がってくるのを防止するものですが、逆の使い方をするワケです。

そこで先日、糞の量が最も多いオリーブの木の幹に、バラの虫ホイホイを塗る作戦を決行しました。

が、ホイホイのチューブの開け方に失敗して、手がベトベトになり、もう戦意喪失。塗るのも中途半端。

指の粘着剤を取るのにひどく苦労しました。あとで調べたら、サラダ油で拭き取るとよいとのこと。

そうこうするうちに、最近は糞の量も減ってきた。つまり作戦は間に合わなかったと、そういう顛末です。

やがてイモムシたちは、サナギを経て成虫になり、大きなハネを広げて飛び立つのでしょう。

こういうのを「完全変態」といいますが、サナギって、つくづく不思議ですね。

サナギの殻の中では、幼虫の体はいったんドロドロに溶け、成虫の体が再構成されるそうです。

生命の神秘としか言いようがありません。

iPad mini発表

Appleの新製品が、本日(日本時間)発表されました。

Retina displayの13インチMacBook Pro、やたらに薄いiMac、それにiPad miniと第4世代のiPadなどです。

第3世代のiPad、いわゆる「<a href="http://tsuruhara9linic.blog116.fc2.com/blog-entry-176.html" target="_blank" title="新しいiPad">新しいiPad</a>」が発売されてわずか7カ月で、もう第4世代登場です。

前モデルのことは「新しかったiPad」などとネットで揶揄されているようで、笑ってしまいます。

iPad miniは7.9インチ。このサイズは、他社のタブレットがひしめく領域です。

たしかに持ちやすいサイズですが、Appleの戦略としてどうなのか、<a href="http://tsuruhara9linic.blog116.fc2.com/blog-entry-365.html" target="_blank" title="以前も書いた">以前も書いた</a>ように私には疑問です。

Amazonは1カ月前に、最新機種「Kindle fire HD」を発売したばかり。

「<a href="http://tsuruhara9linic.blog116.fc2.com/blog-entry-338.html" target="_blank" title="近日発売">近日発売</a>」といいながらなかなか実現しなかった、日本国内での販売が、奇しくも本日開始されました。

Googleも先月「Nexus7」を発売しました。Androidの元締め自らのハード発売にはインパクトがあります。

これら2社のタブレットは、いずれも驚くほどの破格値です。なぜなら

Google「端末で利益を出すつもりはない」

Amazon「利益が少なくても、その後のコンテンツ販売で埋め合わせることができる」

という発想の製品だからです。

iPadはすばらしい製品だと思いますが、ある程度突っ走った後、後進に道を譲ることになるのでしょうね。

結局、最後に市場を制するのは「安い」製品です。

そしてAppleの役割は、また次の何かをつくることだと思います。

お見舞い

お見舞いのために先日、北九州市にある九州厚生年金病院を訪れました。

1987年と1994〜1997年の、計4年間ほど勤めていたことのある病院です。

私がいたころは昭和30年にできた古い病院でしたが、8年前に立派な新病院に移転しました。

お見舞いを済ませ、関連する先生方に挨拶をしました。

驚くべきことに、その先生方の多くは、以前私が勤務していた頃と同じ顔ぶれでした。

さて、お見舞いで欠かせないのは、病棟スタッフへの「心遣い」です。

通常、病棟の看護職員は、お菓子などを受け取ってくれません。

「職員へのお心遣いはご遠慮申し上げます」などと掲示してあったりします。

しかしそこは、20年以上の病棟勤務経験を生かして、次のように言いました。

「先生方にでも、診療の合間につまんでもらって下さい」

これはつまり、看護スタッフにではなく医者に対する心遣いなのだと、そういうニュアンスです。

看護師は、なんとなくはぐらかされた感じで、でも罪悪感が消えたのか、すんなり受け取ってくれました。

なお、お菓子選びの注意点は、小さなお菓子が30個ぐらい詰まったものがよいです。

病棟スタッフって、けっこう人数が多いのです。全員が口にするには、これぐらいの数が必要。

おまけに、つまみ食いする医者もいる。

衆院解散の時期

民主党の前原氏が昨日、衆院解散の時期に関して、

「年明けに解散して『近いうち』とは言えない」

「野田首相は約束を絶対守る人だ」

「首相は解散時期を明示してレームダックになり、やるべきことができなくなることを心配している」

と語ったそうです。これをまとめると、以下のようになります。

(1)必ず年内に解散する

(2)誰にも予測できない日に解散する

この2つが正しいと仮定して、考えを進めてみます。

まず、大晦日に解散することはあり得ません。

なぜなら、その前日までに解散していなければ、大晦日に解散することを誰でも予測できてしまうからです。

これでは(2)に反します。したがって解散は必ず、12月30日までに行われることになります。

ではその前提で、いざ12月30日になってしまうと、こんどはその日の解散を誰もが予測できてしまいます。

だから12月30日の解散もあり得ません。となると解散は、12月29日までに行われるはずです。

しかしそうなると、12月29日になった時点で、その日の解散が予測できます。じゃあ12月29日もダメ。

これは12月28日でも同じこと。12月27日でも・・・

この論法でいくと、解散ができなくなってしまいます。

よって背理法により、(1)か(2)かのいずれかが誤りということになります。

お気付きのように、この論理には「アキレスと亀」にも似た欠陥があります。

しかし、結論はそれほど間違ってはいないかもしれません。

前原氏の発言に対しても、官房長官からクレームが付きました。

どうやら、年明け解散の可能性が高まってきたようです。