スヌーズ

学会旅行中に訪れた、ヨーロッパのあるレストランでのこと。

注がれたビールはキンキンに冷えているようで、タンブラーは小さな水滴で真っ白になっています。

「では乾杯の音頭をお願いします」

仲間から突然、指名されました。こういうときの挨拶は、短ければ短いほど良いものです。

ですが、みんなが私に注目し、真剣に耳を傾けている瞬間なのです。

少しぐらいは何か、気の利いたことをしゃべりたい。笑いをとれればなおいい。

「みなさん、お疲れさまです。えー・・・」

「ピピ、ピピ、・・・・」(目覚まし時計の音) 夢でした。

あーもう。さっさと乾杯しとけば、ひとくちだけでも飲めたのに。

こんなことなら、アラームをあと5分遅くセットしとけばよかった。

最近そんなことがありました。

私は基本的に、夢が好きです。<a href="http://tsuruhara9linic.blog116.fc2.com/blog-entry-177.html" target="_blank" title="前にも書きました">前にも書きました</a>が、夢って展開が奇想天外で、面白いでしょう。

だからそのために、2度寝や3度寝をします。何本も夢を見られるからです。

さすがに最近は、スヌーズ1回の2度寝で起床しますが、以前は4度寝とか5度寝を楽しんでました。

アラームが鳴ると、スヌーズボタンを押すために一瞬覚醒しますが、押したらすぐに眠りにつきます。

この覚醒している数秒間は、現実だか夢だか境界の曖昧な意識状態です。

だから夢の世界に戻ってみると、さっきまでの夢の続きだったりします。

そのうち、夢の中で、こんなやりとりがあるかもしれません。

友「おい、どこ行ってた」

私「ちょっと、延長してきた(=スヌーズボタン押してきた)」

豊後街道

7月の水害で、白川にかかる吉原橋が損壊して通行止めになったので、それ以来通勤路を変えました。

その後、通行は可能になりましたが、老朽化したその橋は、もうあまり渡らないようにしています。

現在の通勤ルートは県道337号、いわゆる豊後街道です。江戸時代に加藤清正が作った、由緒ある街道です。

これが正解でした。朝の並木道が心地よいのです。窓全開で走っています。

このところ<a href="http://tsuruhara9linic.blog116.fc2.com/blog-entry-334.html" target="_blank" title="早起き">早起き</a>をするようになったので、出勤時間は6時半すぎです。

ある土曜日は、まず裏道経由でいったん大津に向かい、そこでUターンして豊後街道に入りました。

爽やかな菊陽杉並木の道を快走するためです。

早起きすると時間に余裕ができるので、ときにはこのように豊後街道を堪能できます。

こうなると、どんどんエスカレートするのが私の悪いクセです。

実験的に、豊後街道をもっと長い区間走って「通勤」してみることにしました。

調べてみると、阿蘇北外輪山を走るミルクロードが、ほぼ豊後街道に沿っているようです。

となるとこれはもう、想像しただけでも快適なドライブが約束されています。

慎重を期して、決行日には休診日を選びました。もはや「通勤」とは言えませんが、それはいいのです。

4時半起床。5時出発。大津を抜け、暗いミルクロードを疾走し、阿蘇大観峰に到達。

日の出を拝んだ後、Uターンして、朝日を浴びながらミルクロードを激走。超爽快。

帰宅すると、心地よい疲れと、いい感じの眠気におそわれました。

実際の通勤では、このルートは無理かも。

ツクツクボウシ

朝晩がずいぶん涼しくなってきました。

ツクツクボウシの鳴き声が、いくつも重奏して聞こえてきます。

もの悲しい気持ちになりながら、しばらくじっくりと、耳を傾けてみました。

あらためてその「メロディー」を、私なりに忠実に、文字で再現してみます。

(1)「ヂィィィーーー」  序奏です。では始めますよって感じ。

(2)「ヂワヂワーーーヅワヅワーーー」 だんだんメロディーらしくなってきます。

(3)「ヅクヅクヅクヅクーーー」 いつのまにか主題に変わっている!

(4)「オーシ」 来たぁ! 

(5)「ヅクヅクオーシ、ヅクヅクオーシ、ーーー」 第1主題のリフレイン開始。長いときは20回以上。

(6)「オイス」 主題が転換するとき、短く挿入されます。省略されることもあります。

(7)「オイヨース、オイヨース、ーーー」 第2主題登場。これを4,5回繰り返す。

(8)「ヂィーー」 そしてピタッと鳴きやみます。

近日発売

Amazonの電子書籍リーダーの最新機種「kindle fire HD」が、本日(日本時間)発表されました。

性能が向上し、8.9インチサイズも登場し、おまけに値段は格安。来月発売だそうです。

海外ではどんどん進化しているkindleですが、日本ではいっこうに発売されません。

「近日発売」の文字が、Amazonのトップページ右上に登場してから、もうだいぶ経ちました。

私が<a href="http://tsuruhara9linic.blog116.fc2.com/blog-entry-281.html" target="_blank" title="そのことをブログに書いた">そのことをブログに書いた</a>のも、2カ月近く前のこと。

いまだに続く「近日発売」は、「近いうち解散」と同じぐらい、あてにならない言葉です。

日本でのkindle発売は、著作権問題がネックになっているといわれています。

著作の送信可能化権を、出版社が所有する米国と、著者が保有する日本の違いがあるといいます。

だから日本では、Amazonがひとりひとりの著者と交渉しなければ、電子書籍コンテンツが集まらない。

この問題が「近日」解決するとは、とても思えません。

Apple信者でiPad所有者の私としては、もともとkindleそのものには、あまり興味がありません。

そのiPadも、単独で使うことは無くMacとの連携で使っているので、私にiPad以外の選択肢は無いのです。

しかし、新刊本が紙の書籍よりも安くなるのなら、電子書籍システム自体は大歓迎です。

少なくとも、紙代や印刷代や輸送コストの分ぐらい安くするのが、道理ってものでしょう。

日本の出版業界や著作権者も、もっと柔軟になってほしいです。

iPhone5発売間近

「iPhone5」いよいよ登場でしょうか。来週発表されるというウワサですね。

デザインが一新され、性能がアップし、新機能も盛りだくさんだそうです。

とはいえ、Appleの情報管理は徹底しています。

ネットを賑わしている「リーク情報」の信憑性は不明です。「ガセ」も多いでしょう。

思い出すのは11カ月前、誰もが「iPhone5」と思っていた新機種は「iPhone4S」でした。

Apple自身が発表するその瞬間まで、世界中のどこからも、少なくとも新製品の名前は漏れませんでした。

それでは果たして今回、発売されるのは予想どおりの「iPhone5」なのか。

コピー天国の中国では、驚くなかれ、「GooPhone」というコピー品がすでに発表されているそうです。

ツートンカラーでオシャレな縦長デザインは、噂されている「iPhone5」の外観にそっくりです。

正規品が発表される前からコピー品を作ってしまう。中国恐るべし。

と思っていたら、そのぐらいで驚いてはいけません。

「GooPhone」の会社が、「GooPhoneのデザインをマネしたらAppleを訴える」とまで言ってるそうです。

なるほど。たしかに、先に「発表」したのはGooPhoneです。

Appleの秘密主義を逆手にとるとは、こりゃあ考えましたね。

かえすがえすも、中国恐るべし。

不活化ポリオワクチン

不活化ポリオワクチンの接種が、今月から始まりました。当院でも1日から開始しています。

<a href="http://tsuruhara9linic.blog116.fc2.com/blog-entry-198.html" target="_blank" title="待ちに待ったワクチン">待ちに待ったワクチン</a>なのですが、その割に、接種希望者がおおぜい押し寄せる、ってほどでもないです。

それはおそらく、ポリオ自体が、日本では感染する可能性がとても低い病気だからかもしれません。

大あわてで接種するほどの、切迫感がないのでしょう。

日本脳炎も同様で、定期接種(無料接種)ワクチンのなかでは、いちばん接種率が低いです。

いずれもまれな病気ですが、感染したら大変だから、予防するわけです。

しかし「まれな病気の予防のために、まれに副作用が起きるワクチンを接種すべきか」との意見があります。

<a href="http://tsuruhara9linic.blog116.fc2.com/blog-entry-100.html" target="_blank" title="これまでにも書きました">これまでにも書きました</a>が、ワクチン接種後の重大な副作用の多くは、いわゆる「紛れ込み」です。

たまたま別の疾患による症状が、たまたまワクチン接種後に出現したものです。いわば「濡れ衣」です。

ただし、ポリオの<a href="http://tsuruhara9linic.blog116.fc2.com/blog-entry-87.html" target="_blank" title="生ワクチン接種後の麻痺">生ワクチン接種後の麻痺</a>は、ワクチンが原因のきわめて重大な副作用でした。

そしてこのたび、その心配の無い、不活化ポリオワクチンの定期接種が始まったわけです。

それなのに、その不活化ポリオワクチンですら、心配のタネになるようです。

原因は情報不足です。啓蒙活動の不足です。行政とマスコミと、医療機関に責任があります。

いまだにご質問が多いので、あらためてここで確認しておきましょう。

(1)不活化ポリオワクチン接種が原因で、ポリオを発症する危険性は「ゼロ」です。

(2)不活化ポリオワクチン被接種者の便を介して、周囲にポリオ感染の危険が生じる可能性も「ゼロ」。

こういった情報を、例のACとかが、耳にタコができるぐらいTV-CMで流してくれませんかね。

安全神話

栃木県内の放射性廃棄物の、最終処分場候補地として、矢板市が選定されました。

市長や住民はもちろん、こう言いたいでしょう。

(1)他の市町村ではなく、どうして矢板なのか

さらに言えば、

(2)福島の事故が原因なのに、どうして栃木が負担するのか

しかし福島にしてみれば

(3)東京で使う電気なのに、どうして福島で発電するのか

つまり

(4)原発が絶対安全なら、東京に作ればいいじゃないか

こうなりますよね。正論です。

「絶対安全だけど、大都市近郊には作らない」

この矛盾をお役所は当然、わかっています。

原子力委員会の「原子炉立地審査指針」から抜粋すると、

1.原子炉からある距離の範囲内は非居住区域であること。

2.原子炉からある距離の範囲内であって、非居住区域の外側の地帯は、低人口地帯であること。

3.原子炉敷地は、人口密集地帯からある距離だけ離れていること。

お役所も本当は、原発が絶対安全とは思っていないようです。

ただし、いま再稼働されつつある原発は安全だそうです。

早起き

あるおばあちゃんが朝早くから目が覚めて困ると言うので、何時頃起きるのか尋ねたら「12時」だそうです。

これはもう、朝の範疇ではないです。

それに比べたら可愛いものですが、私の最近の起床時間は、5時15分です。

15分というところが、まだまだ私の未熟さを表していますが、ともかく5時15分です。

起きてまずトイレに行き、次に野菜ジュースを飲みます。伊藤園の「1日分の野菜」です。

<a href="http://tsuruhara9linic.blog116.fc2.com/blog-entry-68.html" target="_blank" title="毎晩ブロッコリーを1株食べている">毎晩ブロッコリーを1株食べている</a>のにもかかわらず、朝は1日分の野菜を摂取します。

したがって、私の野菜摂取量は1日分を超過することになりますが、別に害はないでしょう。

ジュースを飲みながらメールとFacebookをチェックし、日経のトップ記事などをネットで流し読みします。

5時半に庭に出て、芝生でストレッチをしていると、ウチの犬(アンナ)が寄ってきます。

リードを装着して、まだ夜明け前の暗い中、散歩に出かけます。

早朝は体温が上がりにくいのか、アンナはあまり<a href="http://tsuruhara9linic.blog116.fc2.com/blog-entry-331.html" target="_blank" title="ハァハァ">ハァハァ</a>いいません。私は少しハァハァいいます。

公園に到着したら、また少しストレッチしてから帰宅します。

時間が早すぎて、ほとんど誰にもすれ違いません。

帰宅後アンナにエサと水をやり、ウンチを片付け、私はシャワーを浴びます。これでだいたい6時です。

このぐらいの時間帯に外を眺めてみると、散歩する人が多いですね。

そのうち半数は犬の散歩ですが、残りは純粋なヒトの散歩です。中高年の方が多く、夫婦もよく見かけます。

TVなどで話題の南雲医師は、毎日3時に起床して、水のシャワーを浴びるそうです。

そこまではちょっと、マネできません。

だいいち、そんなに早く起きても、アンナがまだ寝ています。

朝の清掃

雨の日を除いては、毎朝7時過ぎに、クリニックの敷地内と周辺道路の一部を清掃しています。

ホウキで掃いて、ゴミを拾ったり落ち葉を片付けたりする、ほんの15分程度の作業です。

毎朝掃除しても、毎日新たなゴミが落ちています。

近所にショッピングセンターとマクドナルドがあるので、食料品の袋などが目に付きます。

看板に「敷地内禁煙」と掲示しているのにもかかわらず、毎日2,3本の吸い殻を、敷地内で見つけます。

干からびたミミズや一生を終えたセミも転がっていて、これらは植込の根元に掃き込んで、土に戻します。

思わず写メしたくなるほどきれいな色彩の芋虫や、攻撃的態度を見せるカマキリにも、時々出会います。

たまに犬の糞があります。野良犬ならしかたないですが、飼い犬の糞なら許せない。

立て札を設置してみようかとも思うのですが、問題はその文面です。

「敷地内の犬の散歩禁止」 普通すぎ。

「糞はお持ち帰り下さい」 散歩自体は容認していると思われるのがよくない。

「フンガイしています!」 面白がられるだけか。

「犬の糞をさせないで下さい。お願いです」 心情に訴えてみました。

「他人の犬の糞を片付けるのは、イヤです」 こういうのは有効かも。

「他人の犬の糞は、自分の犬のよりも臭い」 コピー塾の答案みたいになってきた。しかもヘタ。

原発論争の揺れ

「原発は倫理的エネルギーではない」

昨日の報道ステーションを見ていて、ゲストの東レ経営研究所の佐々木氏の言葉に、ハッとしました。

これはドイツが脱原発を決めた際の考え方だそうですが、その根拠は以下の3点です。

(1)事故の被害が甚大である。

(2)その被害は、国境をまたぐ。

(3)放射性廃棄物の処理は、世代を超える。

私は先日、原発論争について、そろそろ少し現実的になるべきだと<a href="http://tsuruhara9linic.blog116.fc2.com/blog-entry-308.html" target="_blank" title="書きました">書きました</a>。

現に、世の中にもそのような論調が増えつつあります。

ヒステリックな反原発論ではなく、少し冷静になろうよ、という「揺り戻し」みたいなものでしょう。

しかしここにきて、少し「揺り戻し過ぎ」のような気もします。

「脱原発は理想論であり、現実を無視した浅はかな考えだ」と言わんばかりの風潮です。

佐々木氏の話を聞いて私も、もう一度、考え直さなくてはならないような気がしてきました。

昨今の「揺り戻し」は、前述した(1)と「経済活動や社会生活の利便性」とを天秤にかけるものです。

そこには(2)の発想がなく、自国の利益と損害だけを考えている点が、まず問題です。

さらに言えば(3)は、ずっと前から原発の根源的問題ですが、3.11以降むしろ忘れられ気味です。

究極的に人間は、原発を是とするのか非とするのか。

「揺り戻し」の振り子はやがて、揺れる方向が逆転する時が来ます。

そうやって往復運動をするうちに、振幅が小さくなり、どこかに落ち着くのでしょうか。

日本はまだ、落ち着きどころを模索しているようです。