柔道の判定

オリンピックの柔道が、おかしなことになっています。

今大会から、ビデオ判定を格段に重要視するようになったそうですが、ひどい展開が続出しています。

きわめつけは、昨日の海老沼選手の試合。

審判の判定がくつがえされ、最後には勝敗までひっくり返るという、前代未聞の事態でした。

誤審を恐れて審判が萎縮しているのか、ビデオをチェックしているジュリーの権限が強すぎるのか。

ちょっとした判定のたびに、畳下からクレームが付きます。

試合がたびたび中断し、審判達がゴソゴソ協議し、最後に主審が判定を撤回するのが常となりました。

大相撲の「物言い」にちょっと似た光景ですが、内容はだいぶ異なります。

相撲の行司は、ひとつの方向からしか見ていないので、軍配の差し違えは避けられません。

土俵下の複数の勝負審判の意見に従うのは、理にかなっています。

一方で柔道は、3人の審判が複数の方向から見ているのです。

微妙な判定の際に、ビデオを参考にするのは、たしかに合理的かもしれません。

しかし、どちらの選手が優勢かぐらい、間近で見とけばわかるでしょうに。

そもそも柔道には、「有効」やら「指導」やらのチマチマした判定がなじまないのです。

ちょっと技をかけるたびに、いちいち審判や掲示板を確認する選手。

ダイナミックじゃないですね。

ここらで基本に返って、判定を「一本」と「技あり」だけに限定したらどうでしょう。