芥川賞と直木賞の受賞作が、本日決まりました。受賞者はいずれも、30代の女性です。
受賞作が掲載される、来月あたりの文藝春秋で読む予定です。時間があれば。
その芥川賞の上をいくものが、ノーベル文学賞です。日本人はこれまでに2人だけ、授賞しています。
最近報道されたところでは、安部公房はノーベル賞受賞寸前だったそうですね。
急死しなければ授賞しただろうと、ノーベル文学賞の元選考委員長が語ったとか。
安部公房は、私が学生時代にいちばんよく読んだ小説家です。
読んだことのない人が思わず読みたくなるように、作品を「一行ずつ」紹介してみます。
『壁-S・カルマ氏の犯罪』(芥川賞授賞作)
目覚めると、自分の名前を思い出せない。いわれのない窃盗罪に問われ、妙な裁判にかけられて・・・
『カンガルー・ノート』
目覚めると、スネにカイワレ大根が生えていた。病院では温泉治療を勧めらるが・・・
『人間そっくり』
ラジオ番組の脚本家の自宅に、自分は火星人だと言い張る男が訪れる。
『闖入者』
見知らぬ大家族に部屋を占領されてしまう。抗議しても多数決で否決され・・・
『水中都市』
父親と名乗る男が突然現れ、奇妙な魚に変形し・・・
なんかTV番組の「世にも奇妙な物語」みたいな展開が多いですが、決して薄っぺらな話ではありません。
作品の深みと重苦しさは、まさにノーベル賞級だと思います。