五十にして論語

「論語なう」という本(牧野武文著)を、立ち読みしていたら止まらなくなったので、買いました。

論語とは、孔子と弟子たちの問答などを記録したものであり、孔子の教えはやがて儒教となります。

古代中国史が好きな私ですが、論語だけはどうも、昔から毛嫌いしていました。

しかし、今日あらためて読んでみると、むしろ現代人にこそ必要な「教え」がそこにありました。

この本の面白さは、極端に平易な、ツイッター風の「なう語訳」で、論語を訳してあることです。

もともとは、著者がツイッターに投稿して反響を呼んだ内容だそうです。

例をあげてみます。

(原文)子曰く、巧言令色、鮮(すくな)し仁。

(訳文)弁舌さわやかで、いつもにこにこスマイル。こういうやつって、なんかうさんくさいよね。

こんな感じで、100ぐらいの「論語」が「なう語訳」され、それに簡潔で真面目な解説が付いています。

かつて古典の解説書や訳本といえば、学者や作家が書いた、いかにも堅苦しい教科書的なものでした。

ところが、ブログなどネット上の個人レベルの著作活動が活発になって、様相が変わってきました。

個人が好きなことを、自由に「研究発表」し、さらには「私製教科書」まで作るようになりました。

学術的な信用度には問題が残りますが、好きで楽しく書いているので、読んでいて面白いものが多いです。

教育現場でも、こういったネット素材を副読本として、どんどん利用すればよいと思います。

現に私は「論語なう」を読んで、論語を少し勉強してみたい気持ちになりました。

五十にして天命を知る。(やっぱりちょっと大げさかな)