ばったり会った知人の、その名前が、どうしても思い出せないことはよくありますね。
この場合の作戦は、先手を打つことです。まずこちらから
「どうも、ご無沙汰してます、○○です」
と名乗ってみましょう、自分の名前を忘れていなければ。
それに応じて相手が
「こちらこそ、ご無沙汰していました、○○です」
と名乗ってくれれば作戦成功。うまく相手の名前をゲットでき、恥をかかずにすみます。
おそらくこれは、相手にとっても同じことなのです。
こちらが真っ先に名乗れば、相手も恥をかかずに済むわけです。
だいぶ前、飛行機に乗ったときのこと。
棚にカバンを入れようとしていた私が通路をふさいだせいで、立ち止まっていた男性がいました。
ふと見ると、見覚えのある顔。私よりも一回り若い男性です。
ところが、名前どころか、どのような関係の知人だったかも思い出せない。
私は瞬間的に「ようっ!」と声をかけました。
彼は軽く会釈をして、通り過ぎて行きました。たぶんあまり親しい間柄ではなかったのでしょう。
座席に着いてだいぶ考えて、やっと思い出しました。
さきほどの男性は、かつて、いいとも青年隊だった、工藤兄弟の片方でした。
どうりで顔に見覚えがあったわけだ。
彼が私の名前を思い出そうと、無駄な努力をしたとしたら、申し訳なかったです。