不活化ポリオワクチン9月導入へ

ワクチン後進国と揶揄される日本が、ようやく一歩、先進国に近づきそうです。

<a href="http://tsuruhara9linic.blog116.fc2.com/blog-entry-87.html" target="_blank" title="以前にも書いた">以前にも書いた</a>、不活化ポリオワクチンについて、今年9月の接種開始を小宮山厚労相が明言しました。

この問題では、国のワクチン行政の遅れに業を煮やした黒岩神奈川県知事が、ちょうど半年前、「国が何と言おうと神奈川だけでもやる」と、不活化ポリオワクチンの輸入と接種の導入を決断し、喝采を浴びました。

このとき小宮山大臣は「予防接種行政上、望ましくない」と反対しました。

つまり、ワクチン行政に自治体が出しゃばるな、ということ。医学的理由による反対ではないのです。

このことでかえって、医学的には問題無いのに行政の理由で導入が遅れている、という事実が明らかになりました。

黒岩知事の動きが、国政に風穴を開けたことは間違いありません。

マスコミ報道や市民の運動も巻き起こり、国も不活化ワクチンの導入を加速せざるを得なくなったのでしょう。

ようやく昨日の厚労省部会でワクチンが承認され、本日の小宮山発言となったわけです。

私にとって嬉しいことは、三種混合ワクチンと混合された「四種混合ワクチン」よりも先に、「単独ワクチン」が承認されたことです。

世界での接種経験の多さがその理由ですが、過渡期には「単独」の方が使いやすいのです。

すでに三種混合ワクチンを接種済のお子さんにも、接種できるからです。

近い将来、というか来年には、すべての乳児が四種混合を受けることになることでしょう。

今後最大の問題は「接種待ち」です。

熊本市ではちょうど今、生ワクチンの集団接種が行われています。

これをパスして9月まで待っている間に、ポリオに感染する可能性もゼロではありません。

待つべきか、待たざるべきか、ほんとに難しいことになりました。

尖閣諸島買取宣言

やってくれます、石原都知事。

尖閣諸島を東京都で買い取ると宣言しました。

賛否両論がうずまいていますが、私の意見は「賛」。賞賛の「賛」といってもいいぐらい。

この人のやることには疑問を感じることもありますが、今回は「いいね!」ボタンを押したいです。

弱腰の対中外交にストレスがたまっていた日本人(私)にとって、こんな痛快なことはないでしょう。

政府の慌てぶりが面白い。

「都に買われるぐらいなら国で買う」みたいな発言も出ていますが、むしろそれが石原知事の目論見かもしれません。

都議会の壁を、これからどのように突破するのかも見物です。都民の世論は動くのか。

あるいは猪瀬副知事が触れていたように、寄付が集まる可能性もあるでしょう。

しばらくこの件から目が離せません。

ちなみに、新聞各紙の論評は予想通りでした。社説を読み比べてみると、

朝日「無責任としかいいようがない」

毎日「都が出るのは筋違い」

日経「都が尖閣を買うのは筋が違う」

読売「国の領土保全のあり方に重要な一石を投じたと言える」

産経「有効な提案だ。国を挙げて支持したい」

自宅の新聞、産経に変えようかな。

刑事ドラマ

テレビをみていたら、「警視庁検証捜査官」という聞き慣れない名称に遭遇しました。

証拠を調べ直して、捜査で見逃した真実を究明する、そんなストーリーでした。

私が子供のころみた刑事ドラマといえば、「太陽に吠えろ」と「Gメン'75」。

厳密には刑事ではありませんが「キイハンター」も好きでした。

「西部警察」あたりを最後に、その後の刑事ドラマは、昔のようなチームプレーよりも、むしろ個人プレーを描くものが多くなったように感じます。

おまけに、主人公が第一線の刑事ではないことさえある。鑑識とか「検証捜査官」もそう。

なぜこうなったのか。ネタが尽きたのか、それとも視聴者が飽きたのか。

そこで気づきました。チームプレーを描きにくくなったのには、理由があります。

それは「ボス」がいなくなったから。

「太陽」と「西部」には石原裕次郎、「キイ」と「Gメン」には丹波哲郎がいました。

あまり動きがなく、言葉数さえも少ない。だけどチームの全責任を負う迫力があり、やたらに存在感がある「ボス」。

それに比べたら、田村正和も藤田まことも水谷豊も渡瀬恒彦もみんな小粒。だから個人プレーしかできない。

いま「ボス」格になり得るのは渡哲也ぐらいでしょうか。

夜中の降雪

死刑判決が出た、例の連続不審死事件。

さいたま地検が論告で披露した「たとえ話」がちょっと話題を呼びました。

「前夜星空だったのに翌朝雪化粧なら、夜中に雪が降ったことはあきらか」

間接証拠だけで有罪にもっていくための、シロウト(裁判員)だましの論理展開です。

雪のたとえ話に納得しただけで、本件の間接証拠にも納得した気にさせようという魂胆です。

裁判員の想像を誘導する、たちの悪いスリ替えです。

もしも私が弁護人なら、たとえ話にはたとえ話で応酬します。

「検察は、朝、雪が積もっていただけで、夜中に雪が降ったのだと決めつけています。」

「しかし、夜中に雪が降っていたことを誰も目撃してないことに、疑問を感じませんか。」

「目撃者も直接証拠もないというのは、そういうことです。間接証拠しかないのです。」

「夜中に誰かが、よそから雪を運んできたとか人工降雪機で降らせた可能性はないでしょうか。」

「間接証拠しかないことを、重く考えて下さい。疑わしいだけで人を罰してはなりません。」

被告人の肩を持つつもりは毛頭ありません。個人的には、冤罪だとも思っていません。

しかし「たとえ話」で裁判員の判断を操るような検察のやり方は「ずるい」と思う。

こんなことをしていると、いつか本当に冤罪を生んでしまいます。

池上彰

池上彰氏の番組を、昨日久しぶりに見ました。

ニュースをわかりやすく解説することにおいて、彼をしのぐ人物がまだ現れません。

かつて池上氏が出演していたNHKの「週間こどもニュース」は、私の好きな番組でした。

我が子たちにも見せようと、その時間帯にはいつもNHKをつけていたのですが、実際見ていたのは私だけでした。

2005年に解説役が別のキャスターに交代して、この番組はとたんにつまらなくなりました。

大人の鑑賞に堪えられなくなったのです。

ホントの「こどもニュース」になってしまいました。

池上氏の「解説のレベル」が絶妙だったのでしょう。

彼のわかりやすさのカギは、言葉を徹底的に選んで使っているところだと思います。

世の多くの解説者は、専門用語を説明するために、それよりも一段階だけ易しい言葉、言ってみれば「準・専門用語」を使ってしまいます。

池上氏は、二段階ほど平易な言葉で、専門用語を解説します。

当たり前みたいですが、なかなかできないことです。

ただ、とくに生放送の番組では、彼の弱点も垣間見えてきます。

それをしばしば感じるのが、医学を含めた自然科学系分野。

番組出演者からの「想定外」の質問にきちんと答えられないシーンを、時々目にします。

ヘタをすると、しどろもどろ一歩手前です。

なんとかうまいこと言いくるめていますが、ごまかしが見え見えで見苦しい。

結局彼は、スーパーマンではなかったのです。

自分が想定した範囲内において、完璧な準備で番組に臨んでいるだけです。

それもすごいけど。

ミサイル騒動

北朝鮮のミサイル騒動によって、図らずも、我が国の危機管理体制の稚拙さが露呈しました。

ミサイルが発射されたら1分以内に警報を発すると謳われていた「J-ALERT」。

先日のテストではスピーカー電源の不具合が見つかりましたが、昨日は作動すらしませんでした。

驚くべきことに、その作動を止めたのは「官邸」でした。

そもそも、決断力に乏しい政治家や役人がいちいち状況判断をしていたら時間がかかるので、迅速に「機械的」に作動するように構築されたシステムが「J-ALERT」ではなかったのか。

ところがいちばん肝心な部分に「官邸」という、鈍い組織が介在していたわけです。

「全国瞬時警報システム」という名前を聞いてあきれます。

ミサイル発射情報を米国から受け取りながら、確認作業に時間をかけているうちにミサイルの分解・落下に至り、J-ALERT送出の必要性を失ったという顛末。

「ダブルチェック」を行っていたと官房長官は言い訳していますが、どうやら目的を見失っているようです。

ダブルチェックとは、まかり間違っても対象者(今回の場合は国民)に不利益がないように、二重に確認をすること。

ミサイル発射は、その数分後には着弾するかもしれない緊急事態です。

したがって、ダブルチェックしていて通報が遅れた、なんてのは本末転倒もいいところ。

3年前のミサイル発射の誤報でたたかれて、政府はよほど懲りたのか。

誤情報でたたかれないための、ダブルチェックだったということです。

日本の家電業界

ソニーも、5200億円という途方もない赤字を発表しました。

日本の家電業界が低迷しています。

米国オラクルのCEOが、その原因について2点あげていました(4月8日付日経)。

(1)日本企業は、ハードには強いがソフト開発力に欠け、デジタル転換に対応できなかった。

(2)韓国が台頭してきた。日本企業に必要なのはグローバル戦略(なのにそれが欠けている)。

なるほどと思いながら、このふたつの共通項に思い当たりました。それは「言葉の壁」。

ハードに国境はなくても、ソフトにはしばしば言葉や文化の壁があります。

たとえば日本のケータイは「言葉の壁」や通信方式の違いなどによって外国企業から守られ、「ガラパゴス」と揶揄される独自の進化を遂げました。

しかしそれは両刃の剣。日本のガラケーは、海外では通用しません。

世界70億人を相手に勝負すべき日本企業が、たかだか1億人にしか通用しないモノばかり作ることに、誰か疑問を感じなかったのか。

いまこの島国のケータイは、外来種の侵入によってあっというまに駆逐されつつあります。

その対極が韓国。

人口は日本の4割以下。パイが限られるので、企業はグローバル展開するしかない。

そのような土壌があるので、国民全体の英語力も高い。

最初から世界標準の製品を開発しておけば、それが国内でも売れる。

かつて日本企業が世界を席巻していたテレビの分野でも、いまや韓国勢にやられっぱなしです。

次世代ディスプレイの有機ELまで、もっていかれてしまいました。

日本のメーカーは、日本人好みの機能や装備を追求するのに一生懸命でした。

テレビもガラケーの轍を踏んだわけです。

<a href="http://tsuruhara9linic.blog116.fc2.com/blog-entry-45.html" target="_blank" title="3Dテレビ">3Dテレビ</a>しかり。昨年あれだけ熱狂していたのがウソのようです。

買わなくてよかった。

携帯探し

ケータイやスマホをどこかに置き忘れると、とても困ります。

まず不便。それに個人情報が盗まれないかも心配。

ただ、ケータイは、他の所持品を探す時よりも有利な点があります。

その端末に電話をかけてみて、「着信音で探す」ことができるからです。

iPhoneであれば、パソコンで位置を検索することもできます(Androidはよく知りません)。

かつてのポケベルも同様。見失ったときに、音を頼りに探すことがしばしばありました。

ポケベルはベルトを通して装着していたので、ポケベルを置き忘れたとすれば、それはズボンを脱いだ場所にあるはず。それも捜索の手がかりのひとつでした。

そんなエピソードをひとつ。

ある朝、ポケベルが見当たりません。おそらく職場にあるのだろうと考えて、そのまま出勤。

職場では白衣に着替える時にポケベルをはずすからです。

ところが職場にも無い。

やはり捜し方が悪かったのかと、自宅に電話し、家人に「音による捜索」をしてもらいました。

しばらくして、見つかったとの連絡あり。庭の犬小屋の屋根に置いてあったと。

いったいどういうことなのか。庭でズボンを脱いだのか。記憶をたどりました。

前夜は飲み会。ということは酩酊状態で帰宅。それから・・・夜中に庭で犬と戯れたかも。

じゃれようとして飛びかかるウチの犬に対して、ズボンのベルトを抜いて応戦したような・・・

鉄道マニア

「僕達急行 A列車で行こう」という、鉄道マニアを主人公とした映画が公開されています。

鉄道マニアと言えば、中学時代、私の周囲にも何人かいました。

毎月発行される鉄道弘済会の時刻表を、彼らがむさぼるように読んでいたのを思い出します。

私も、「鉄道マニア」や「鉄道ファン」とは言えないまでも、「鉄道好き」ではありました。

しかし国鉄がJRになった頃から、急速に興味を失いました。

おそらくそれは、国鉄という「お役所」ならではの融通のなさが、正確な列車運行と全国統一の運賃体系をもたらし、それが魅力だったからでしょう。

ところで、鉄道撮影マニア、いわゆる「撮り鉄」が、線路内に立ち入るなどして列車を停止させるようなことが、最近相次いでいるそうです。

このニュースを聞いて、古い記憶がよみがえりました。私も列車を止めたことがあるからです。

私が3,4歳の頃、つまり48年ぐらい前のこと。止めたのは国鉄岩徳線です。

友達2,3人と長い棒を持って線路際に立ち、「遮断機ごっこ」をしていたような、そんな記憶がかすかにあります。危ない危ない。

不思議なことに、そのことで親に叱られた記憶がありません。

あまりにこっぴどく叱られたので、記憶がとんでいるのかもしれません。

ちなみに岩徳線というのは、山口県の岩国駅から櫛ケ浜駅(徳山駅の隣)までの、山陽本線をショートカットするローカル線です。

鉄道マニアの方なら当然、岩徳線と聞いてピンとくる運賃ルールをご存じでしょう。

レバ刺しと屋台

厚労省の審議会の部会が、レバ刺しを禁止とする意見をまとめました。

一方で福岡市の研究会は、屋台の新規参入を認める提言を行いました。

前者は食品の安全性に重点を置いたものであり、後者は消費者の利便性を考慮した判断でした。

全国的にも有名な福岡の屋台は、以前から食品衛生や環境衛生の面で、問題が指摘されています。

しかし屋台はすでに、食文化としてのジャンルを築いています。

観光客の定番スポットでもあり、福岡市の観光資源にもなっています。

現経営者に限って「一代限り」で営業を認めているのは、福岡市の「温情」でしょう。

今回の提言は、それをさらに進めたもの。新規参入への道も開けてきました。

衛生・環境面等で、きちんとした配慮をすれば済むことなので、市長の名裁きを期待します。

ひるがえってレバ刺しです。

全面禁止などというものは、事なかれ主義の役人の、責任回避策としか思えません。

ワクチンの副作用を恐れるあまりに、予防接種を停滞させてきた、厚労省らしいやり方です。

彼らは、食文化や商業へのマイナス面には責任を感じないようです。管轄ではないのでしょう。

しかし闇レバ刺しが横行することにでもなれば、消費者にとっては危険。厚労省の責任です。

どのように規制したら消費者の安全を確保できるか、それ考えることこそ、キモでしょう。