全国学力テストが、小学6年と中学3年生を対象に、先週行われました。
賛否両論あるこのテスト。50年以上を経てなお、紆余曲折は続いているようです。
(1)導入期(1956年~1964年)
日本を支えるのは教育である、おおいに競争すべし、という高度成長期でした。
(2)中断期(1965年~2006年)
「過度の競走を招く」との日教組らの反対によって、テストは中断。成長の反動か。
(3)復活期(2007年~2009年)
日本人の考え方が成熟し、バランス感覚が出てきたのかと思っていたら・・・
(4)混迷期(2010年~)
民主党政権下では、全体の約3割の学校のみを対象とした「抽出方式」となりました。
コスト削減のため、というのは言い訳です。日教組の影響がまた強まったとみるべきでしょう。
ところで、全国学力テストは文科省の委託事業です。実際に行っているのは民間企業。
問題の作成から採点、集計だけでなく、学習環境調査結果などの情報までが、民間企業に握られるのはどうなのか。その点は問題視されています。
たとえば小学6年のテストは、2007年以来ずっと、ベネッセコーポレーションが実施しています。
文科省の入札に応じる企業も、2008年以降はベネッセだけになりました。
ベネッセにはどんどんノウハウが蓄積し、他社が入り込む余地がなくなっているのでしょうか。
そのうちベネッセから、「全国学力テスト対策問題集」とかが出たりして。