死刑判決が出た、例の連続不審死事件。
さいたま地検が論告で披露した「たとえ話」がちょっと話題を呼びました。
「前夜星空だったのに翌朝雪化粧なら、夜中に雪が降ったことはあきらか」
間接証拠だけで有罪にもっていくための、シロウト(裁判員)だましの論理展開です。
雪のたとえ話に納得しただけで、本件の間接証拠にも納得した気にさせようという魂胆です。
裁判員の想像を誘導する、たちの悪いスリ替えです。
もしも私が弁護人なら、たとえ話にはたとえ話で応酬します。
「検察は、朝、雪が積もっていただけで、夜中に雪が降ったのだと決めつけています。」
「しかし、夜中に雪が降っていたことを誰も目撃してないことに、疑問を感じませんか。」
「目撃者も直接証拠もないというのは、そういうことです。間接証拠しかないのです。」
「夜中に誰かが、よそから雪を運んできたとか人工降雪機で降らせた可能性はないでしょうか。」
「間接証拠しかないことを、重く考えて下さい。疑わしいだけで人を罰してはなりません。」
被告人の肩を持つつもりは毛頭ありません。個人的には、冤罪だとも思っていません。
しかし「たとえ話」で裁判員の判断を操るような検察のやり方は「ずるい」と思う。
こんなことをしていると、いつか本当に冤罪を生んでしまいます。