池上彰氏の番組を、昨日久しぶりに見ました。
ニュースをわかりやすく解説することにおいて、彼をしのぐ人物がまだ現れません。
かつて池上氏が出演していたNHKの「週間こどもニュース」は、私の好きな番組でした。
我が子たちにも見せようと、その時間帯にはいつもNHKをつけていたのですが、実際見ていたのは私だけでした。
2005年に解説役が別のキャスターに交代して、この番組はとたんにつまらなくなりました。
大人の鑑賞に堪えられなくなったのです。
ホントの「こどもニュース」になってしまいました。
池上氏の「解説のレベル」が絶妙だったのでしょう。
彼のわかりやすさのカギは、言葉を徹底的に選んで使っているところだと思います。
世の多くの解説者は、専門用語を説明するために、それよりも一段階だけ易しい言葉、言ってみれば「準・専門用語」を使ってしまいます。
池上氏は、二段階ほど平易な言葉で、専門用語を解説します。
当たり前みたいですが、なかなかできないことです。
ただ、とくに生放送の番組では、彼の弱点も垣間見えてきます。
それをしばしば感じるのが、医学を含めた自然科学系分野。
番組出演者からの「想定外」の質問にきちんと答えられないシーンを、時々目にします。
ヘタをすると、しどろもどろ一歩手前です。
なんとかうまいこと言いくるめていますが、ごまかしが見え見えで見苦しい。
結局彼は、スーパーマンではなかったのです。
自分が想定した範囲内において、完璧な準備で番組に臨んでいるだけです。
それもすごいけど。