ミサイル騒動

北朝鮮のミサイル騒動によって、図らずも、我が国の危機管理体制の稚拙さが露呈しました。

ミサイルが発射されたら1分以内に警報を発すると謳われていた「J-ALERT」。

先日のテストではスピーカー電源の不具合が見つかりましたが、昨日は作動すらしませんでした。

驚くべきことに、その作動を止めたのは「官邸」でした。

そもそも、決断力に乏しい政治家や役人がいちいち状況判断をしていたら時間がかかるので、迅速に「機械的」に作動するように構築されたシステムが「J-ALERT」ではなかったのか。

ところがいちばん肝心な部分に「官邸」という、鈍い組織が介在していたわけです。

「全国瞬時警報システム」という名前を聞いてあきれます。

ミサイル発射情報を米国から受け取りながら、確認作業に時間をかけているうちにミサイルの分解・落下に至り、J-ALERT送出の必要性を失ったという顛末。

「ダブルチェック」を行っていたと官房長官は言い訳していますが、どうやら目的を見失っているようです。

ダブルチェックとは、まかり間違っても対象者(今回の場合は国民)に不利益がないように、二重に確認をすること。

ミサイル発射は、その数分後には着弾するかもしれない緊急事態です。

したがって、ダブルチェックしていて通報が遅れた、なんてのは本末転倒もいいところ。

3年前のミサイル発射の誤報でたたかれて、政府はよほど懲りたのか。

誤情報でたたかれないための、ダブルチェックだったということです。