ジョブズ死去

Apple創業者、スティーブ・ジョブズ氏が、亡くなりました。

ニュース映像で見るたびに風貌はやつれていくのに、新製品・新機軸を発表し続ける彼のバイタリティーには衰えがありませんでした。しかしその病状・体調は、本当にギリギリのところだったのでしょう。

ジョブズはかつて、自分が創業したAppleから追放されたことがあります。革新的過ぎる彼の発想に、会社がついて行けなくなったのです。

その11年後、彼は経営の傾いたAppleに復帰し、立て直し、ついにAppleを株価総額で世界最大の企業にしました。

iMacに始まり、iPod、iPhone、iPadと、次々に繰り出される新製品には驚くばかりでしたが、これでもジョブズは、「革新的過ぎないように」スピード調整して、絶妙のタイミングを計っていたのかもしれません。

ジョブズが追求してきたのは「便利で、美しくて、新しくて、楽しいもの」です。

日本のメーカーが「高性能・多機能・汎用性・低価格」を優先して、ただの工業製品を量産してきたのとはまったく発想が異なります。

20年以上前、私がNECのパソコン(9800シリーズ)からAppleのMacintosh (SE/30)に乗り換えたとき、パソコンというものが、何か作業をするための道具ではなく、たださわるだけで楽しめるものだと感じ、驚きました。

「スティーブの才能、情熱、活力は、私たちの生活を豊かにし、向上させてきた数え切れない革新の源だった。スティーブのおかげで世界は計り知れないほど良くなった」

Apple社は今日、このような談話を発表しました。

私はこれに、「世界を楽しくしてくれた」と付け加えたいです。