民法上は、年齢が繰り上がるのは、誕生日の前日の午後12時とされています。
そして、午後12時というのは前日に属するので、したがって年齢が変わるのは誕生日の前日ということになります。
<a href="http://tsuruhara9linic.blog116.fc2.com/blog-entry-13.html" target="_blank" title="以前にも書いたように">以前にも書いたように</a>、この法律のために、あちこちでへんてこりんなことが起きます。古くて新しい問題です。
最近、予防接種に関連したサイトでも、この「年齢問題」が盛り上がっていました。
たとえば、1歳児が接種する麻しん/風しん混合(MR)ワクチンは、1歳の誕生日の前日から接種可能であり、逆に、2歳の誕生日の前日には、すでに2歳になっているので、接種できない、ということになります。
同様の解釈によって、選挙権は、20歳の誕生日の前日から与えられています。
私はこれまで、診療においては、誕生日の日に年齢が変わるものとして対処してきました。
したがって、予防接種対象年齢の解釈については法律違反をしてきたわけです。
急に心配になって、昨日、保健所に電話してみました。担当者曰く
「民法の規定とは異なりますが、熊本市では、2歳の誕生日の前日までは1歳として扱っています。」
ちょっと聞くと、不思議な回答ですね。
民法の年齢規定の趣旨を理解するために、こう考えてみました。
元日に生まれた子がいるとします。
その夜、家族は赤ちゃんを囲み「今日は良い1日だったね」とほほえむことでしょう。
同様に、大晦日の夜には、「無事1年経ったね」とほほえみます。
これこそが、「満1歳」という意味ではないでしょうか。
つまり、満1歳になるのは、出生日から1年目(12月31日)であって、出生日の1年後(1月1日)ではない、ということです。