生演奏とCDの違い

バッハのロ短調ミサを聴くために、先日、福岡に行ってきました。

福岡古楽音楽祭の、オープニングコンサートです。

CDやDVDでは何度も聴いた曲ですが、やっぱり演奏会はよいですね。

では、生演奏の何がCDとは違うのか、考えてみました。

・臨場感:ひとことで表すなら、結局この言葉でしょうか。陳腐ですが。

・緊迫感:一発勝負の演奏者。彼らと対峙する聴衆。聴衆を前にますます緊張する演奏者。

・同好の士の存在:その1曲を聴くためだけに、1000人を超える老若男女が集まっている。

・音域:CDでは再現できない、可聴域外の低周波音や高周波音を体が感じます。たぶん。

・音量:ダイナミックレンジが広い。いくら小さな音でも、耳を澄ませば聞こえてくる。

・視覚:特定の演奏者に注目すると、その人の楽器からの音を選択的に聴ける(気がする)。

・行儀:きちんとした服装と姿勢で聴く。ゴソゴソしない。咳もがまん。飲食など論外。

・連続性:邪魔は入らないが中断もできない。ポーズボタンなし。最後まで一気に聴くのみ。

・出費:交通費(新幹線代)も含めると巨額の支出。元を取らねば、と気合いが入ります。

・手間ひま:会場までの移動で体力を消耗。適度に疲労した後の音楽が体に染みました。

いつでも好きな音楽を聴くことができるITの世の中になりましたが、時には原点に立ち返ってみたいものです。