インフルエンザワクチン不足

待望のインフルエンザワクチンを、本日入荷しました。

10月1日から接種開始だというのに、例年このワクチンが届くのは9月下旬です。

しかし接種の予約は、それよりも前から受け付けなければなりません。

手元に現物がないのに、予約数が100人、200人と増えてくるのは、小心者の私には耐え難い恐怖です。

とくに今年はワクチン不足が懸念されています。

その理由のひとつは、<a href="http://tsuruhara9linic.blog116.fc2.com/blog-entry-134.html" target="_blank" title="先日も書いた">先日も書いた</a>、小児接種用量の変更(増量)です。

当院で、昨年と同じ年齢分布および人数での、今年のワクチン必要量を試算してみると、昨年よりも38%余計に必要であることがわかりました。

厚労省によると、今年のワクチン需要予測量は、2,771~2,798万本とのこと。

昨年の実使用数2,447万本で割り算すると、今年は13~14%増と見積もっているようです。

その程度の増量で済むのか、疑問です。

ワクチン不足のもう一つの原因は、北里第一三共の問題です。

もともと北里は、震災の影響による減産を発表していましたが、最近になって、製造されたワクチンに異物(トリレオウイルス)が混入していたことが判明し、236万本の出荷減です。

これによって、今年の国内ワクチン供給量(製造量)は2,700万本となりました。

さて、需要と供給の数字を、じっくり見比べてみましょう。

年齢が変わるのは誕生日の前日です

民法上は、年齢が繰り上がるのは、誕生日の前日の午後12時とされています。

そして、午後12時というのは前日に属するので、したがって年齢が変わるのは誕生日の前日ということになります。

<a href="http://tsuruhara9linic.blog116.fc2.com/blog-entry-13.html" target="_blank" title="以前にも書いたように">以前にも書いたように</a>、この法律のために、あちこちでへんてこりんなことが起きます。古くて新しい問題です。

最近、予防接種に関連したサイトでも、この「年齢問題」が盛り上がっていました。

たとえば、1歳児が接種する麻しん/風しん混合(MR)ワクチンは、1歳の誕生日の前日から接種可能であり、逆に、2歳の誕生日の前日には、すでに2歳になっているので、接種できない、ということになります。

同様の解釈によって、選挙権は、20歳の誕生日の前日から与えられています。

私はこれまで、診療においては、誕生日の日に年齢が変わるものとして対処してきました。

したがって、予防接種対象年齢の解釈については法律違反をしてきたわけです。

急に心配になって、昨日、保健所に電話してみました。担当者曰く

「民法の規定とは異なりますが、熊本市では、2歳の誕生日の前日までは1歳として扱っています。」

ちょっと聞くと、不思議な回答ですね。

民法の年齢規定の趣旨を理解するために、こう考えてみました。

元日に生まれた子がいるとします。

その夜、家族は赤ちゃんを囲み「今日は良い1日だったね」とほほえむことでしょう。

同様に、大晦日の夜には、「無事1年経ったね」とほほえみます。

これこそが、「満1歳」という意味ではないでしょうか。

つまり、満1歳になるのは、出生日から1年目(12月31日)であって、出生日の1年後(1月1日)ではない、ということです。

生演奏とCDの違い

バッハのロ短調ミサを聴くために、先日、福岡に行ってきました。

福岡古楽音楽祭の、オープニングコンサートです。

CDやDVDでは何度も聴いた曲ですが、やっぱり演奏会はよいですね。

では、生演奏の何がCDとは違うのか、考えてみました。

・臨場感:ひとことで表すなら、結局この言葉でしょうか。陳腐ですが。

・緊迫感:一発勝負の演奏者。彼らと対峙する聴衆。聴衆を前にますます緊張する演奏者。

・同好の士の存在:その1曲を聴くためだけに、1000人を超える老若男女が集まっている。

・音域:CDでは再現できない、可聴域外の低周波音や高周波音を体が感じます。たぶん。

・音量:ダイナミックレンジが広い。いくら小さな音でも、耳を澄ませば聞こえてくる。

・視覚:特定の演奏者に注目すると、その人の楽器からの音を選択的に聴ける(気がする)。

・行儀:きちんとした服装と姿勢で聴く。ゴソゴソしない。咳もがまん。飲食など論外。

・連続性:邪魔は入らないが中断もできない。ポーズボタンなし。最後まで一気に聴くのみ。

・出費:交通費(新幹線代)も含めると巨額の支出。元を取らねば、と気合いが入ります。

・手間ひま:会場までの移動で体力を消耗。適度に疲労した後の音楽が体に染みました。

いつでも好きな音楽を聴くことができるITの世の中になりましたが、時には原点に立ち返ってみたいものです。

インフルエンザワクチン接種量増量へ

インフルエンザ予防接種の時期が近づいてきました。

ワクチンの供給に目処がついたので、当院でも本日よりネット予約の受付を始めました。

さて、今シーズンからは、小児の「1回当たりの接種量」が変わります。

昨年までは、0歳0.1ml、1~5歳0.2ml、6~12歳0.3ml、13歳以上0.5mlでしたが

今年からは、3歳未満0.25ml、3歳以上0.5mlと、全体的に増量され、シンプルになります。

実はこれが、WHO推奨用量であり、主要先進国の標準接種量なのです。

これまでの日本の小児接種量が少なすぎることは、少なくとも10年以上前から指摘され続けてきました。

それなのに厚労省は、接種量を変えようとしませんでした。

その理由は、接種量を増やすことによって副反応が増えることを、厚労省が嫌ったのではないかと、私は推測しています。

「効果があるかどうか」よりも「副作用がないかどうか」を重視する、おきまりの厚労省のスタンスです。

ようやくこのたび、国内ワクチンメーカー4社による、WHO推奨量での臨床試験によって、その効果が認められ、接種量が変更されました。

ただ、おかしいのは、その臨床試験です。

接種量を変更しようというのなら、「従来接種量」と「WHO推奨量」の2グループを設定して、抗体の獲得率などを比較検討し、「WHO推奨量」の方が優れていることを証明する必要があります。

これはすなわち、「従来接種量」では効果が劣っていたことを立証することにもなってしまいます。

そこで実際はどうしたかというと、「従来接種量」のグループは設定せず、「WHO推奨量」だけを試験したわけです。

従来量との比較検討をしなかったことについては、一応言い訳がなされていますが、それがケッサク。

「海外主要先進国では、WHO推奨量はすでに確立された用量であるから」とのこと。

はじめから結論ありき、です。わかってたのなら、早く変えればよかったのに。

書籍の整理

公文書、手紙から請求書まで、可能なものはすべてスキャンし、pdfファイルにして保存しています。

このことは<a href="http://tsuruhara9linic.blog116.fc2.com/blog-entry-34.html" target="_blank" title="以前にもご紹介">以前にもご紹介</a>した通りです。

次に手をつけるとすれば、貧乏性ゆえに読みもしないのに所蔵している、本や雑誌です。

これらを全部pdf化してしまえば、部屋がずいぶんスッキリするのに・・・つねづねそう思っていたら、世の中でも同じ考えを持っている人は多いようです。

本を自分で裁断し、スキャンし、pdfなどのファイルにして保存して、iPadなどで読む。

これを称して「自炊」というのですが、iPadの発売以来、自炊は静かなブームのようです。

本を送ると、1冊100~150円ぐらいでpdf化してくれる業者も、調べてみたらたくさんあります。

これは厳密には「他炊」というそうで、著作権法上は、微妙な商売のようです。

私も遅ればせながら、本格的な裁断機を購入し、いよいよ書籍の「自炊」に着手しました。

まず手始めは、練習がてら?医師会雑誌から。

ひと思いにザクッと裁断する感触は、やみつきになりそうです。

ただ、裁断・スキャン後の本を捨てるのが、なんだかもったいない。貧乏性なので。

iPhone5情報

Appleの秘密主義は有名です。

新製品は通常、発売直前まで、その詳細はおろか発売日も秘密にされています。

iPhone5は来月7日発売と噂され、私もおおいに期待していますが、ネットや雑誌で目にするiPhone5情報はすべて、推測によるものです。

2年前、iPhone4の試作機を紛失した台湾のOEMメーカーの社員が、不幸な転帰をとった悲劇がありました。

昨年は、泥酔したApple従業員が、発売直前のiPhone4をビヤホールで紛失。詳細な情報がネットに流出してしまいました。

最近また、Appleの従業員が、iPhone5の試作機をバーで紛失したというニュース。

そんな極秘製品を、軽々しく持ち歩いて、なおかつ紛失するとはどういう神経なのか。

台湾の悲劇を忘れているのでしょうか。

普通に考えたら、Appleの情報管理の不備を露呈したことにもなります。

しかし、紛失ではなく、故意に置き忘れたとしたらどうでしょう。

「紛失した」のは、情報攪乱のための、ニセの試作機。

いまごろ中国で、その試作機そっくりのコピーが作られてたりして。

宇宙の研究

「下町ロケット」が面白いです。

描かれているような、宇宙研究や宇宙開発には、あこがれます。

同じ宇宙モノで言えば「はやぶさ」の映画化も3本同時に進行しています。

大人になっても宇宙とかかわっている人を、とてもうらやましく思います。

宇宙関係のニュースで、私が最近気になったものをあげてみましょう。

「初期の宇宙には3000万個のブラックホールが存在していたことがわかった」

この場合、初期というのは10億年のことらしいです。

3000万個には驚きました。それが3個でも3兆個でも、やっぱり驚きますけど。

「地球から39億光年の銀河で、星が巨大ブラックホールに吸い込まれる瞬間をとらえた」

この瞬間をとらえたのは、国際宇宙ステーションの船外観測装置です。

2年前にその装置をロボットアームで設置したのは、誰あろう若田光一さんです。

「120億光年離れた天体に、地球の海水の100兆倍の水の存在が明らかになった」

将来の水不足に備えて、覚えておいても損はない情報でしょう。

「銀河の中を浮遊する惑星が発見された」

なんらかの原因で恒星の周囲を公転するのをやめて、気ままに宇宙を漂っているらしいです。

ひょっこりひょうたん星とでも名付けますか。

野田新総理

「ドジョウが出てきてこんにちは」

野田氏を見て、このフレーズを思いつき膝を打ったのがつい昨日のこと。

私よりも先にこれを思いついた者がいるだろうか、とググってみたら、すでに星の数ほど使われていました。残念。

少し前まで、野田氏のことはあまりよく知らなかったので、好印象は持っていませんでした。

それに、いまの民主党では誰が総理になっても「ドングリ」かと。

しかし報道等を見るにつれて印象は変わるものです。

自らをドジョウに例え、泥臭い政治を行っていくと語る野田氏。

震災後の対応で、泥沼(=お池)にはまってしまった前総理よりは、だいぶマシかも。

駅前演説を20年以上続けているそうで、本人曰く、「駅前演説は野田、駅前留学はNOVA」

このダジャレが私の琴線に触れてしまいました。ダジャレ好きに悪い人はいません、たぶん。

格好つけてないとこが、この人のいいところかもしれません。

正式には明日総理大臣に任命される野田氏。間接的とはいえ、国民が選んだ首相です。その手腕・行動力に期待させてもらいましょう。

できることなら、ちょいちょいダジャレを発するくらいの余裕もほしい。