ジョブズ退任とApple信者

スティーブ・ジョブズがAppleのCEOを退任することになりました。残念です。

カリスマ経営者が第一線を去り、Appleの独創性が失われるのではないか、心配です。

Apple信者にとってジョブズは教祖ですが、私が入信した1989年には、ジョブズはすでにAppleを追い出されていました。奔放すぎたのか先進的過ぎたのか、創業者ではあっても、経営者としては不適格との烙印を押されたようです。

1990年代はMacの暗黒期でした。信者という観点からは「苦行」の時期でした。

最初に買ったMac(SE/30)を超える魅力的なMacには出会いませんでした。そのかわり、へんてこりんな新製品が色々出てきました。

たとえば、パイオニアのMac互換機。Apple以外の会社が作った、音がやたらに良いMacでした。

あるいは、バンダイと共同開発したマルチメディア機ピピン・アットマーク。見事にこけました。

さらには、デザインのMacらしさが無くなってしまったパフォーマシリーズ。買いましたけど。

では、その頃ジョブズは何をしていたのか。

新会社NeXTを立ち上げて、画期的OSを開発しました。これが後のMacOSXの元になります。

ルーカスフィルムを買収して、CGアニメーション制作会社ピクサーを作りました。大成功です。

経営が悪化し、身売り寸前になっていたAppleを、どうせならソニーが買収してくれないかと思っていたころ、ついに教祖が復帰しました。

ジョブズは、iMacでAppleを復活させ、OSXを発売してMacの先進性を決定づけ、iPodからiPhone、iPadに至る快進撃を牽引し続けたことは、信者でなくてもご存じの通りです。

いま、スマホとクラウドがIT業界の関心事ですが、ジョブズならその次を考え始める頃でしょう。

はたして10年後にAppleが今の地位にあるかどうか、信者の不安は尽きません。