ウルトラQ

ウルトラシリーズの第1作「ウルトラQ」は、私が生まれて初めて見た「恐怖番組」でした。

アニメでも人形劇でもない「実写」ドラマであることが、当時5歳の私を怖がらせるのには充分でした。

突然出現する怪獣に対して、正義のヒーローもいなければ、架空の防衛組織も存在せず、警察や一般市民が右往左往します。

主人公や博士の活躍によって、戦いには一応の決着がつきますが、必ずしも晴れがましい結末ではありません。

締めくくりの石坂浩二のナレーションには、不気味な後味を感じたものでした。

ウルトラQのレーザーディスクが発売されたのは、放送から約20年後のこと。

ずいぶん悩んだ末に「大人買い」してしまいました。5歳の少年はもう大人になっていたのです。

それからさらに20数年を経て、こんどは「総天然色ウルトラQ」Blu-rayの発売が決定。

ただちにアマゾンで予約しました。「大人買い」を超える「おじさん買い」とでもいうべきか。

ところが今朝の新聞で、プレミアムBlu-ray発売の広告を発見。

通常版との違いは、ナメゴンのフィギュア(ソフビ)などの豪華特典!

初回限定版で完全受注生産。予約はキャンセル不可。

たたみかけるような宣伝文句に冷静さを失い、こっちを予約。通常版はキャンセルしました。

ソフビのナメゴン、ひどくベタつきそうです。楽しみです。

執筆活動

小学校の時、宿題で書かされていた日記の文章に先生が感心して、その文章を教材にして国語の授業が行われ、ひどく恥ずかしい思いをしたことがあります。

SF小説「宇宙のスカイラーク」に触発されて、「土星のタイムマシン」というタイトルのSFを学級新聞に連載したことも、いま思い出しました。

医者になってからも、小説を書いたことがあります。

未完成ですが、腎臓の不正売買を題材にした安部公房風の小説を書きかけていました。

「壁 – S・カルマ氏の犯罪」のような展開をもくろんでいたのですが、筆力がなくて挫折しました。

興味がドンドンずれていくので、長い文章は苦手です。

別役実のような言葉へのこだわりと、つげ義春のような脈絡のない展開が好きです。

そういうわけで、今はブログが私の執筆活動です。

ローマ人の物語を読む人の物語

塩野七生の大作、「ローマ人の物語」

以前から気にはなっていましたが、何しろ全15巻(文庫版なら40巻)。

古代ローマ史にそこまでの思い入れを持っているわけでもなく、私とは無縁の存在でした、先日までは。

ところがある日、状況は一変します。キッカケは、民主党岡田幹事長の発言。

「菅首相は『一定のメドがつけば身を引く』と言い、後戻りできないルビコン川を渡ってしまった」

シーザー(カエサル)の決断に由来するこの言葉を久しぶりに聞き、そういえば、古代中国の次に、古代ローマが好きだったような気もしてきました。

こうなったら読んでやろう、ローマ人。

決意の鈍らぬうちに書店に赴き、文庫版で第1巻からとりあえず13巻までを、一括購入しました。

まさに私も、ルビコン川を渡ってしまったのです。

ただし、書店と言ってもBOOK・OFFなので、ルビコン川でも浅瀬を渡った感じです。

前書きにこうあります。

「それでは今から、私は書きはじめ、あなたは読みはじめる。」

これを私は、挑戦状と受け取りました。

(つづく)

やらせメール

九州電力が墓穴を掘りました。

玄海原発運転再開のための説明番組における「やらせメール」問題です。

会社側の人間が、一般市民を装って、会社にとって有利な意見をメールする。

これを九電が指示したというのなら、明らかに世論操作です。

ただ、九電を弁護するわけではないですが、今回の「やらせメール」は稚拙で無計画なものだったと思います。

まず、本社からの指示メールの扱いがずさん。秘密裏に伝達されるべきなのに、容易に関連会社内に拡散し、2000人以上が目にしたといいます。内部告発が出てこない方がおかしい。

また、実際のやらせ投稿があまりに無計画。原発再稼働の賛成数が286と、反対の163を大きく引き離す「やり過ぎ」な結果になってしまいました。やらせメール投稿の「発案者」はいても「管理者」がいなかったのでしょう。

そもそも、メールやFAXによる短時間の意見集約に、公正さを求めること自体が、無理なような気がします。

このような場合に投稿するのは、人一倍問題意識を持ち、行動的な人が多いでしょう。

概して、保守的な人よりも革新的な人の方が、投稿する動機を持ちやすいと、私は思います。

九電は、このようなバイアスを是正しようとあせり、やり方を誤ったのかもしれません。

結果として、九電の信頼は、東電並みに失墜しました。

九州人でB型

松本復興担当相。「暴言」の責任をとって、本日あっさりと辞任しました。

被災地の人々の感情を逆撫でした、一昨日の発言はひどかった。

岩手県知事や宮城県知事との会談では

「知恵を出さないやつは助けない」とか「そうしないと、我々は何もしないぞ」と高圧的。

両知事は「あんたには助けてもらいたくない」という言葉がノドまで出かかったことでしょう。

マスコミ記者に対しては

「最後の言葉はオフレコです。いいですか、みなさん。書いたらその社は終わりですからね。」

いったいあなたは何様ですか。

少し反省したのか、その後の釈明会見では、とってつけたような九州弁で

「わたしは九州の人間ですけん、ちょっと語気が荒かったりして・・・」

九州人を敵に回しましたね。

さらに

「わたしはちょっとB型で短絡的なところがあって、・・・」

日本国民の2割を敵に回しました。

それにしても菅首相。

以前、東電の社長を怒鳴りつけた時のように、昨夜のうちに松本大臣を怒鳴りつけた上で、スパッと首を切っていれば、ちょっとはマシだったのに。

思いつきで行動する人かと思えば、大事なところで動カン。

ワクチン接種と紛れ込み

乳幼児の髄膜炎を予防するための、ヒブワクチンと小児用肺炎球菌ワクチンは、その接種後の死亡事例が報道され、3月にいったん接種見合わせとなったことは、<a href="http://tsuruhara9linic.blog116.fc2.com/blog-entry-81.html" target="_blank" title="以前にも書きました">以前にも書きました</a>。

その後厚労省は、ワクチンとは無関係の、別の原因(疾患)によって、たまたまワクチン接種後に死亡したのであろうと結論し、4月に接種が解禁されました。

このように、別の原因がワクチンに濡れ衣を着せることを「紛れ込み」といいます。

「紛れ込み」の多くは、乳幼児突然死症候群(SIDS)と考えられています。

SIDSとは、乳幼児の原因不明の突然死のことを、ひとくくりにした総称です。

その数は、昨年147人(このうち0歳児140人)で、0歳児では死亡原因の第3位でした。

3日に1人の赤ちゃんが、原因もわからず命を失っているということです。

その0歳児が受けるべき予防接種の回数は、ヒブワクチンと肺炎球菌ワクチンが加わったことで大幅に増えて、ポリオを除いても、標準で合計10回の「過密スケジュール」となりました。

そのため、ワクチン接種直後に、たまたまSIDSを発症する確率も上がってしまったのです。

表面上は、「ヒブや肺炎球菌のワクチンを導入したら、接種後の突然死が増えた」ように見えます。

また、過密スケジュールをこなすために、2つ以上のワクチンを同時接種する機会も増えました。

そのため、ワクチン同時接種後に、たまたまSIDSを発症する事例も目立ってしまいます。

表面上は、「同時接種をしたら突然死が増えた」ように見えます。

「紛れ込み」による濡れ衣を晴らすためには、正しい情報をわかりやすく示す必要があります。

最近、ワクチン接種の必要性について啓蒙する、テレビCMを目にするようになりました。

抜けているのは、ワクチンの副作用(副反応)への不安を解消するCMだと思います。

それといちばん困るのは、ワクチン接種後の死亡例などを短絡的に報道するマスコミ。

マイナンバー

「社会保障・税に関わる番号制度」に使う共通番号の名称が、「マイナンバー」に決まりました。

ずいぶん前から「国民総背番号制度」と揶揄されて、その有用性と危険性が同時に議論されてきました。

「マイナンバー」は、親しみやすく無害な印象を与えることには、成功したかもしれません。

この名称は、2月24日から3月23日までの間、一般公募されていたようです。うかつにも、私は知りませんでした。

途中で震災が起き、じっくり考えて応募しようと思っていた人は、応募し損ねたかもしれません。

応募総数は、なんと、たったの807件。そのうち18件が「マイナンバー」だったそうです。

大学教授やコピーライターなどの、いわゆる「民間有識者」9名がその選考に関与したようですが、「マイナンバー」以外にどのような名称が応募されたのか、それがいちばん知りたい。

「IDナンバー」とか「個人番号」とか「国民番号」とか、ふざけて「背番号」とかもあったかも。

100人ぐらいの組織票があれば、へんてこりんな名前がトップになりそうなぐらいの応募総数ですが、政府によれば、名称の選考は「応募件数の多寡で決定されるものではございません」とのこと。でしょうね。