20年近く前に、通販でドイツ製の電波時計を購入したことがあります。
こういう、究極の正確さとかに、私は弱いのです。ドイツ製、というのにも弱いです。
その当時、時刻情報を送ってくる標準電波は短波で、送信所は茨城1カ所でした。
九州での受信精度は良くなく、時計の挙動はひどく不安定で、残念ながら使い物になりませんでした。
その後、長波の標準電波送信所が1999年に福島、2001年には九州にもできて、日本中で電波時計が普及することになりました。
いまや掛け時計は電波時計が当たり前。目覚まし時計もたいてい電波です。
腕時計の時刻合わせに、目覚まし時計を使うぐらいです。
地デジになってテレビから時報が消えても、とくに困ることはないのです。
困ったことといえば、福島からの標準電波が、いま不安定です。
送信所が、あの福島第一原発から20km以内にあるからです。
職員の避難によって、3月12日の夜から運用できなくなりました。
この日から、関東以北の電波時計は、ただのクオーツ時計になってしまったわけです。
その後、職員の「一時立ち入り」などの努力によって、4月21日にようやく、暫定的に電波送信が再開しましたが、その後もたびたび、落雷の影響などによって、停波と送波を繰り返しているようです。
送信所に常駐する職員がいなくなり、細かいメンテナンスができなくなったのでしょう。
原発事故も、いろんな影響を及ぼしています。