インフルエンザの予防接種を、今シーズン2回受けておきたい受験生の方へ。
申し訳ありませんが、今年はそれができません。おかしな話です。
季節性インフルエンザワクチンの接種回数は、昨年までの規定ではこうでした。
12歳以下 :2回
13歳~64歳:1回または2回
65歳以上 :1回
13歳以上であっても、「2回接種した方がより効果的」であり「希望者は2回接種しても良い」のでした。
そのため、例年多くの受験生や医療従事者が2回接種を受けていました。
ところが昨年、新型インフルエンザワクチンのときに、厚労省は「13歳以上は1回で良い」との通達を出しました。
「健康成人に対するワクチン接種後の抗体価上昇が、1回と2回で差がなかった」というのがその根拠です。
しかし本当のところは、新型ワクチンの輸入に手間取った国がひねり出した、苦し紛れのワクチン節約策でした。
「苦し紛れではなく、本当に1回で良いのである」と言い張る国は、その言い分を正当化すべく、今年の接種回数を「13歳以上は1回のみ」に決めてしまいました。
国と委託契約した医療機関はこの規定を守らなければなりません。
ですから今年は、受験生の方が希望しても、2回接種はできないのです。
昨年はあくまで「新型」の話だったのですが、新型と季節性の「混合」ワクチンである今シーズンも、同じ解釈がなされたわけです。
とするならば、昨年までの季節性ワクチンを「2回接種でもよい」としていたことが「過剰な接種」であったいうことを、国が根拠をもって示さなければなりませんが、・・・ありえないことです。
医学的には、2回接種してもまったく問題ないどころか、それなりに有効性は増すと思われます。